内容説明
コンピュータやAIは目まぐるしく進化しているが、それらをコントロールする人間ははたして進化しているといえるだろうか。年を重ねても人を妬んだり恨んだりと自己中心的な他人を見て落胆しつつ、同様に成長していない自分に愕然とする―。このような人間の心のあり方は時代が変わっても普遍的なテーマであることに変わりはなく、だからこそ古今東西の哲学者が「人間とは何か」を探究し続けているのだ。この深遠な問いについて伊藤忠商事元会長、元中国大使で稀代の読書家でもある著者が、その豊富な人生経験から考察した一冊。
目次
第1章 死ぬまで未完成
第2章 AI時代の「生き方」の作法
第3章 人間としての「幸せ」の構造
第4章 「努力ができる」のは人間である証し
第5章 自然体で生きられないのは人間だけ
第6章 「人間の本質」を受け入れる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
134
丹羽さんの本は肩に力が入っていないのと自分をえらそうに見せていないので、財界の偉い方の割にはすんなり読めます。いくつかの本と若干重なる部分もあるのですが、人間の生き方のようなことをうまくご自分の経験につなぎ合わせて書かれています。びっくりしたのは若い20代の女性の起業家が、川端康成を読んでコストパーフォーマンスがぜんぜんないということを言われて最近の若い人はこのような考え方もするんだとおっしゃっていることが印象に残りました。2019/07/17
ゲンキ
128
伊藤忠商事元会長で、「死ぬまで読書」の作者。人間の本性は、、、だから、貴方たちはこう生きた方が良いと語りかけている感じです。人生の大先輩で、伊藤忠商事時代の苦労話も出てくるし、読書家でもあるから、その内容に説得力がありました。会社で社員から悩み相談や愚痴をよく聞かれる方、人財教育をされてる方、部下や後輩をお持ちの方等には、特にオススメ致します。本書を読んで、回りのみんなを幸せ😃💕にしてあげましょう🙋2021/11/15
真香@ゆるゆるペース
117
元伊藤忠商事会長・社長の丹羽宇一郎氏が、永遠のテーマである「人間とは何者なのか?」を様々な断面から考察。「動物の血」と「理性の血」が入り混じった状態の我々人間が、これらを自覚・コントロールし、少しでも賢く生きるようにするにはどうしたら良いか?傘寿になる著者の人生経験や読書歴に裏打ちされた言葉は、深みがあり説得力があって、納得できる部分が多かった。自分のことにしっかり向き合いつつ、人のために尽くす。私の今後の課題です。2020/03/01
ナマアタタカイカタタタキキ
86
私達の体内を巡る、理性的な人間としての血、そして本能的な動物としての血。完全に人間としての性格のみを持ったヒトは存在せず、誰しもが他人を蹴落としてまで生きようとする禽獣じみた本性を抱えている。それを如何にして自制し、人間的な生き方を選択していくか。──“人間の本性”の醜悪さを紐解くような内容ではなくて、人間として賢く生きるにはどのようにすべきか考える上でのヒントのようなもの。納得出来る記述は多々あるけれど、今の私には毒にも薬にもならないというのが正直な感想。メモとして印象に残った言葉を書き散らしておく。→2020/11/28
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
66
読み友さんのレビューにひかれて読んだ1冊。丹羽さんの著書は2冊め。人間の本性を様々な断面から考察し、そんな人間といかに付き合い、生きるべきかを体験談も交えながらわかりやすい言葉で綴ったもの。「人生最後の一日に何をするか」という問いに「普段と変わらぬ一日を望む」という答えが印象に残る。何気ない日常、凡庸に見える日常が実はものすごく非凡だということであろう。「今」の大切さを意識していきたいと思う。2020/05/04