内容説明
「物語」を辿って、京都を廻ろう。古都、悲話めぐり。一味違う、大人の名所・名刹の歩き方。
目次
第1章 せつない神社せつないお寺(「宗旦稲荷社(相国寺)」―茶の道を究めた狐のせつない最期
“千本釈迦堂”おかめ塚―職人の悲しみを擁した“国宝”
悲恋の「祇王寺」「滝口寺」―嵯峨野に伝わるせつない物語
「立本寺」の子育て幽霊―母が我が子を思う気持ちは、いつの世も同じ ほか)
第2章 せつない京都百景(京の三大葬送地―鳥辺野;不思議で、ちょっと怖い地名―“六道の辻”と轆轤町;朝から晩まで美しい五重塔は、どこから見るのが正解?―「東寺」の五重塔;その水面に、歴史を映し続けてきた池―「大覚寺」の“大沢池” ほか)
著者等紹介
柏井壽[カシワイヒサシ]
1952年京都市生まれ。大阪歯科大学卒業。京都市北区で歯科医院を開業する傍ら、京都の魅力を伝えるエッセイや、日本各地の旅行記、小説などを執筆。京都や旅をテーマにしたテレビ番組の監修も多数務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sofia
30
アニメ「平家物語」とコラボした「平家物語絵巻展」を見たので、建礼門院徳子が眠る寂光院こそせつないと感じた。都落ちして壇ノ浦まで行き、六道を経験した建礼門院徳子は京の真ん中にはもう住みたくないだろう。個人的には『有頂天家族』からの六道珍皇寺、六角堂で歴史を知る。「永観遅し」の見返り阿弥陀も思い出あり。『鴨川食堂』の作家なのですね、今度、読みます。2024/09/09
たんぽぽ
18
柏井作品を読むと京都に行きたくなります。 この本をバッグにいれて、スケジュールなしにぶらぶら。 老舗の名菓を買い求め、路地裏でコーヒーを楽しむ。 ぼんやり空を見上げて、せつないなぁ…なんてつぶやいてみる。2019/07/17
そうたそ
14
★★★☆☆ "せつない"というテーマから京都を巡ることのできる一冊。京都と言えばよかった真っ先にイメージするような有名な社寺仏閣でなく、ひっそりと観光客を迎えているような情緒溢れる場所が多く紹介されているのも、そのテーマ故だろう。ランチに立ち寄れる飲食店なども同時に紹介されており、この一冊だけで十分京都めぐりの際のガイド本として重宝する。こういった侘しさこそ京都の本質なのだろう。2020/09/04
ぺんぐぃん
8
結婚するまで左京区に住んでいた。府立洛北高校に在籍していた時、古文の先生が授業中に本書に出てくる紫式部のお墓にクラス全員を徒歩で連れて行ってくれたことを思い出した。体育では1年に1回鴨川の堤防を走るマラソン大会があった。学生時代京都の凄さの実感はまるでなく、未だに三千院も寂光院も行ったことがない。そろそろ定年も近いので京都に戻る。手あかのついていない、日常の中の社寺仏閣は、この作品にあるように数えきれないほど存在する。その懐の深さも京都ならでは。京都に戻ってからゆっくり巡ってみたくなった。2019/07/13
路人
6
恋と食と眺めに満ちた京都案内。これを片手に京都を回ってみたくなった。2019/05/09
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- 和書
- ラフ 〈2〉 小学館文庫