内容説明
「考えることは大事」と言われるが、「考える方法」は誰も教えてくれない。ひとり頭の中だけでモヤモヤしていてもダメ。人と自由に問い、語り合うことで、考えは広く深くなる。その積み重ねが、息苦しい世間の常識、思い込みや不安・恐怖から、あなたを解放する―対話を通して哲学的思考を体験する試みとして、いま注目の「哲学対話」。その実践から分かった、難しい知識の羅列ではない、考えることそのものとしての哲学とは?生きているかぎり、いつでも誰にでも必要な、まったく新しい哲学の誕生。
目次
第1章 哲学対話の哲学(哲学対話とはどのようなものか?;哲学対話のルール)
第2章 哲学の存在意義(哲学対話の効用;自由のための哲学 ほか)
第3章 問う・考える・語る・聞く(問うことと考えること;考えることと語ること ほか)
第4章 哲学対話の実践(用途と参加者;場の作り方 ほか)
著者等紹介
梶谷真司[カジタニシンジ]
1966年、名古屋市生まれ。89年、京都大学文学部哲学科卒業。94年、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。97年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
66
確かに、改めて考えるとはどういうことかを問われると、これが、表現しずらいと思った。それと、哲学という言葉もだ。哲学対話と哲学的対話っという意味合いの違いが、面白い。考えるの先に、問う・語る・聞くもある。自問自答ではなく、その向こうには人がいる。自由という意味も、とても幅広い。哲学対話・・・探してみようと思う。2019/05/06
榊原 香織
51
哲学は実は体育会系? 考える、事を体験する。哲学対話、の実践法。 机があるとだめだそうです。途端に参加者が喋らなくなる。椅子をくっつけてきれいな円にする、これが重要。2023/08/16
Kentaro
50
哲学には哲学の問いというものがある。哲学の中で論じられてきたのは、真理、存在、認識、善悪、正義、美、他社、空間、時間といったものである。 こうした哲学的問いを自分の問題として考えることが出来る人はいる。ひょんなことから哲学書を読んで、その問いに目覚める人がいる。その種の人は、いわゆる哲学好きな思想を好む、哲学の学習を職業にするような人たちである。けれども一般的ないわゆる普通の人がこうした思考をするのは稀だ。普通はそんなことを考えるのは面倒くさいとなるのがおちだ。殆どの問題が、殆どの人には実感のないことだ。2020/06/20
すしな
45
016-24.確かに学校教育って答えのある問題を解く練習が中心で、答えがないことを”考える”ことに時間を使っていないなぁと思い当たりました。大学受験があるから仕方がないとは思うのですが、高校時代までにきちんと哲学対話した方がその後の人生も有意義になるんだろうなと思いました。また婚活でも哲学対話をしているということが興味深かったです。マッチングアプリで相性の最適解を元に探すのも効率がいいのかもしれないですが、対話して見つけるというのは、思い通りにいかない人生を一緒に生きる上で大事だなと思いました。2024/02/13
mana
45
グループワークでの「哲学対話」を通じ、「問い」ながら「考える」、「語る」、「聞く」ことの大切さ、そして哲学対話の具体的な手法が書かれている。「知識だけ学んで問うことがなければ、思考はどこにも行かず、育つこともない。知識もなしに問うことばかりでは、思考は方向を見失う。知識はそこからさらに問うてこそ意味があり、問いは知識によってさらに発展する」。哲学科という専門的に学びに来た者だけの集まりではなく、もっと開けた場所で対話をしてみたい。ネット上でのやり取りでもいいだろうと思う。2022/06/10