内容説明
個人主義で自己主張の強い欧米人とくらべ、日本人は集団主義的で協調性があり、「和をもって貴し」とする民族だと言われてきた。しかし、ひとたび街に目をむければ、それはまちがいだと気づく。利権まみれで雑多な東京。くいだおれ太郎やかに道楽など人形だらけの大阪。“千年の都”と称されながら破壊と建設をくりかえす京都。ローマと東京、ヴェネツィアと大阪、フィレンツェと京都―街並をくらべると、近代化と自由化をすすめ謳歌するあまり、無秩序とエゴにおおわれたのは欧米ではなく日本なのだ。都市景観と歴史が物語る、真の日本人の精神とは?
目次
第1章 日本人の協調性?
第2章 靴をはいたまま、ベッドに横たわれるか
第3章 ホテルにならない日本の城
第4章 カーネルおじさん、ペコちゃん、くいだおれ太郎…店頭におかれる人形の謎
第5章 安全か景観か
第6章 スクラップ・アンド・ビルドの国
第7章 東京の戦争、ローマの戦争
第8章 戦争と建築
第9章 坂口安吾の「日本文化私観」を批判する
第10章 利権まみれの街
著者等紹介
井上章一[イノウエショウイチ]
1955年、京都府生まれ。京都大学人文科学研究所助手、国際日本文化研究センター助教授を経て、同教授。専門の建築史・意匠論のほか、風俗史、美人論、関西文化論など日本文化についてひろい分野にわたる発言で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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