内容説明
喜びや楽しみの感情があるから人生は豊かになり、怒りや哀しみも生きるバネになる。だが、感情が過剰になり理性とのバランスを失うと、どんなに知的な人でも、信じられないほど愚かな判断をする「感情バカ」になる。しかも怒り・不安のような意識できる感情でけが問題なのではない。自分では気づかず無意識のうちに感情的になることで、「服従」「同調」「損失回避」など心のクセが働き、判断はゆがんでしまうのだ。「感情バカ」のメカニズムを解き明かし、感情のせいで苦しむ・損する人生から抜け出す方法をアドバイス。
目次
序章 賢い人も「感情」でバカになる
第1章 「感情的」とはどういうことか
第2章 こんな心理状態になると判断がゆがむ
第3章 感情バカになりやすい人
第4章 AIが政治をやったらどうなるか
第5章 「感情の奴隷」にならないために
著者等紹介
和田秀樹[ワダヒデキ]
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、精神科医。国際医療福祉大学大学院教授。和田秀樹こころと体のクリニック院長。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
47
感情を持つのと、感情的になるのとは、まったく違う。このあたりの理解ができる・できないでかなり違ってくる。今のこの国だけでなく、自分の周囲も、感情的になる人が随分と増えていると思う。前日に聴講した富山大学の先生の講演の内容ともシンクロする。このあたりを、どう広めていくかだ。2018/07/08
テツ
18
感情を昂らせての行動って全てにおいて大体上手くいかない。成功率(としか言いようがない)を少しでも上げるためには個人でも群れでも理性的にデータに基づき動くべきであると痛いほど理解している筈なのに、人は何故感情に煽られて突っ走ってしまうのか。そのメカニズムについてきちんと知り、他人はともかく自分自身は感情的な選択をすることなく冷静に合理的に在るよう努めること。一人一人がそう心がけることが、群れの感情的な暴走という、人類が成してきた邪悪の最大の原動力をこの世から駆逐するための唯一の方法なのではないか。2022/03/17
リケジョママ
9
★★⭐︎⭐︎⭐︎ 人は何故感情的になってしまうのか、よく得る思考パターンを解説してくれる本。前半部分によくある感情的な人の例が多く記載されていて分かりやすかったが、一方で「感情的になると、ほらこんなに悪いことがあるでしょ?」という論調なので、読んでいて少し暗くなるのが難点。「感情をコントロールできたら、こんな良いことがある」とポジティブな本の方が私は好み。2023/02/16
bonbon99
9
感情のメカニズムについて序論は具体的に述べていた。ただ、中盤から終盤にかけては、著者独自の感性に基づく感想になっていたような気がした。感情と経済学の行動経済を用いて説明しているところは独自性があり、よかった。2020/05/11
チャッピー
8
タイトルだけでは内容がわかりにくいけど、副題のとおり『人に愚かな判断をさせる意識・無意識のメカニズム』がわかりやすく説明されている。白黒はっきりつけたがらずグレーな部分を認める。正解を求めすぎない。自分はこの2つを気をつけようと思った。2018/05/02