内容説明
核実験とミサイル発射を繰り返す北朝鮮。アメリカとは「アメリカを焦土化する」「誰も見たことがないような事態が北朝鮮で起こる」と挑発しあい、緊張はギリギリまで高まっている。北朝鮮が核保有国となれば、核兵器が世界中に拡散する核ドミノが起こる。アメリカはそれを認めるのか、交渉で北に核を放棄させられるのか、それとも―。もはやアメリカが北朝鮮を武力攻撃しない理由はない、と著者は見る。Xデーはいつなのか?そのとき自衛隊は?日本への攻撃は?元自衛艦隊司令官が語るリアルにして衝撃のシナリオ。
目次
第1章 米朝開戦Xデー
第2章 核・ミサイル開発への執念
第3章 北朝鮮VS.アメリカ七〇年
第4章 アメリカによる北朝鮮攻撃はこう行われる
第5章 中国の脅威・ロシアの思惑
第6章 米艦防護と日本の国益
著者等紹介
香田洋二[コウダヨウジ]
元・海上自衛隊自衛艦隊司令官(海将)。1949年徳島県生まれ。1972年防衛大学校卒業、海上自衛隊入隊。1992年米海軍大学指揮課程修了。統合幕僚会議事務局長、佐世保地方総監、自衛艦隊司令官などを歴任し、2008年退官。2009年~11年、ハーバード大学アジアセンター上席研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つきかげ🌙
37
著者の主張はこうだ。アメリカは他国への核技術の伝搬を防ぐため、北朝鮮がこのまま核ミサイル開発を続けるならある時点で北朝鮮を攻撃するだろう。 そのタイミングは北朝鮮が何かしたとかいうタイミングではなく、虚をついた時に徹底的な攻撃が行われる。それは金正恩体制の崩壊ではなく核ミサイル施設を破壊することを目的で行われる。・・・ということだが果たしてそのような分析がどの程度的を射ているかわかるのは2年以内ぐらいか。本書の鮮度は高く、いい意味で本書の賞味期限は短そうだ。2018/02/25
たかしくん。
16
図書館本。予約が到着したときは、米朝首脳会談の実施の方向だったので、今更なんて思ってましたら、ここへ来てそれも中止となって。なんとも目まぐるしい!本書の通り、所詮は「たとえ自国民の生活が窮乏しても金王朝を守るため」の、ならず者国家。どうにかなりませんかねぇ…。2018/05/26
hk
14
「アメリカ本土を射程におさめる核弾頭ミサイルのみを北朝鮮に破棄させ、アメリカは金正恩独裁体制を当面は認める」 本書を読み既存の知識も勘案させた結論がこれだ。どういうことか?アメリカとしては朝鮮周辺地域に問題を残しておかなければならない。何故ならば朝鮮有事の備えを大義として米軍は日本並びに韓国に駐留しているからだ。平たく言い換えれば「万が一ドンパチをして朝鮮が統一されたら米軍はアジアの重要拠点を失う」ということである。つまり日韓を射程におさめる核ミサイルを北朝鮮に残した方がアメリカにとって好都合なのだ。2018/03/23
トラ
6
今までの自分の考えが変わりました。「アメリカは北朝鮮の核保有を認めざるをえない」と思っていましたが、「斬首作戦」を抜きにして朝鮮半島の非核化のためなら動くというのも納得がいきました。しかし、平昌五輪のきな臭さも出てきて、アメリカの対応が注目されます。2018/01/24
紙狸
4
2017年12月刊行。17年には、北朝鮮が各種ミサイルを発射した。この本は、種類の整理に役立つ。「北朝鮮保有のミサイルは・・・世代進化したと言える」(p104-105)。たとえば火星12型は、実験での成績が不良だったムスダンの後継だという。 筆者は、北朝鮮の核・ミサイル開発が進めば、アメリカが軍事力を行使してストップをかける可能性が高いと見ている。そのタイムリミットは「今から最大で約一年」(p122)との見立てだ。2018/01/12