内容説明
人生は「なぜ自分だけがこんな目に遭うのか?」と思うことの連続で、あらゆる煩悩(心身をわずらわし悩ませる迷いの心)にさいなまれるが、どうすればこれらの悩みから解放されうるのか?波瀾万丈の日々を生きてきた著者は「逃げずに受け止めることが道を拓く」と喝破する。「苦労を引っかぶって元気よく生きる」「複雑な世を生きぬくコツ」「欲望が涸れると、らくになる」「死んでみなされ、そしたらわかる!」等々、九十二年の人生経験から人間の本質を的確に突いた一冊。
目次
第1章 人間とは
第2章 人生とは
第3章 男と女とは
第4章 子供とは
第5章 あの世とは
第6章 長寿とは
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
大正12年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年『戦いすんで日が暮れて』(講談社)で第61回直木賞を受賞。昭和54年『幸福の絵』(新潮社)で第18回女流文学賞を受賞。佐藤家の荒ぶる魂を描いた『血脈』(文藝春秋)の完成により、平成12年に第48回菊池寛賞を受ける。平成27年『晩鐘』(文藝春秋)で第25回紫式部文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
128
直木賞作家の佐藤愛子さんの過去の作品から再編集したエッセイ集。2024年現在で103歳でご健在。人間とは、人生とは、男と女とは、子供とは、あの世とは、長寿とは…の六章から構成されています。最後の章の長寿とは…の「いかに上手に枯れていくか」で肉体にエネルギーが残っている間は死ぬのは容易ではない。とおっしゃっています。私も天寿を全うする人生を歩みたいものです。あの世とは…にあった著者の死生観は少しオカルト的でしたが何故か納得できる内容でした。ここは人それぞれ考え方が違うので意見が分かれる所でしょう。2024/12/13
いつでも母さん
119
幻冬舎新書、いや、四本女史よ、ありがとう!愛子先生の怒りや悟りや笑いをギューっと詰めた本ですね。今までに読んで心に残っていた言葉の数々、今また心に届きました。(小説中の言葉は未読だったりするけれど・・汗)人生は辛いもの!そうですね。この世は不平等に出来ている!確かに。だから、どうしたって気持ちにさせられるのが好きです。生きるのも大変、だが死ぬのも大変!本当に日々感じます。もうこの本は常にそばに置いておきたい1冊です。2016/10/16
naoっぴ
78
これまでの佐藤愛子さんの著書の中から印象的な文を抜粋してまとめた本。笑ってしまうほど面白いものあり、奥深いものあり、なるほどと唸るものありで、実にバラエティ豊かで楽しかった。いい文章の寄せ集めなのでなんだか自分の読書ノートみたいだなぁとも思いつつ読んでいたけれど、この形式に慣れた頃にはせっせと付箋をつけていました(笑) いつもながら佐藤さんの言葉は元気がわいてくる。引用された書名があるので、今度は元になった本を読んでみよう。2017/05/06
Ikutan
64
過去の作品の中から「これはいい」と思える文章を抜粋して、人間とは、人生とは、男と女とは、子供とは、あの世とは、長寿とはの六章にまとめたもの。多くの苦労を乗り越えて長い人生を歩んできた愛子先生の言葉には説得力があります。神様が人間に与えた有難い能力は『忘れる』と『馴れる』。なぜ人を殺してはいけないの?の回答はズバリと。『劣等感』は心のはしか等。後半はスピリチュアルな内容で死生観も。だから『煩悩』なんですね。立派な人を目指すのではなく『想う』こと。感謝の心が要。老後の人生の指針になる言葉の数々。肝に命じます。2016/11/16
ナミのママ
64
過去の作品から、著者の言葉を抜粋してまとめた一冊。人の歩いた軌跡というのは、どんなものであれ、その人となりを表すのだと改めて思います。女性は後ろに下がるのが美徳とされた時代に、器用とはいえない生き方をしてきた著者。私たちは今でこそ、この文章を読んで、そうよ!そうなのよ!と笑ってうなずきます。でも、その時代にこれを言えた背景は、決して平坦ではなかったはずです。あらゆるものを乗り越えて今にいたる著者の、素敵な一冊でした。2016/10/20