内容説明
重い物体があると時空が歪む。その物体が動くと、歪みの変化が極めて微弱な波となって空間を伝わる。宇宙から伝わるその波、いわば「宇宙が奏でるメロディー」が「重力波」だ。重力波は、一九一六年にアインシュタインが存在を予言。彼の数々の予言のうち、最後まで残った宿題「重力波」が、一〇〇年後の二〇一六年、ついに観測された。重力波を観測することで、「宇宙誕生の瞬間」も見ることができる!人類永遠の謎に挑む「重力波天文学」の世界を、日本の重力波研究のフロントランナーが語る。
目次
序章 重力波が見つかった!
第1章 重力波とは何か
第2章 宇宙からのメロディーを聞く
第3章 日本は「KAGRA」で挑戦する
第4章 重力波天文学が解き明かす宇宙の謎
第5章 人類が宇宙誕生の瞬間を目撃する日
著者等紹介
川村静児[カワムラセイジ]
1958年高知県生まれ。土佐高校卒業。早稲田大学理工学部卒業。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士(東京大学)。カリフォルニア工科大学Member of Professional Staff、国立天文台助教授、准教授などを経て、東京大学宇宙線研究所教授。専門は重力波物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aster
46
2016年だから中性子星連星からの重力波はまだ観測されてない時期の本ですね、KAGRAだとかアインシュタインテレスコープだとか重力波天文学はまさにこれからの学問なんだなと思う。最後の天体物理学と宇宙論の架け橋としての重力波の話は魅力的だった。2021/03/29
mazda
23
1ヶ月くらい前、展示会で開催されていた基調講演をたまたま拝聴したのですが、それからすぐノーベル賞をとったということを知りました。すごい話だったのを知らずに聞けたことは、とてもラッキーだったと思います。ブラックホールは光すら出て来れないので、どうやって観測するんだろうとずっと疑問でした。重力波ならその謎を解決してくれる上に、宇宙の始まりを教えてくれるかも知れないそうです。夢のある話で、とても楽しく読ませていただきました。2017/10/17
Porco
18
「重力波とは?」ということもさることながら、重力波の直接観測ができたことで重力波天文学の世界が開けたというのが面白いし、中心的に書かれています。宇宙の始まりやダークマターに迫れるかもしれないというのです。簡単にしか触れられてませんが、「双子のパラドックス」っていうのも面白かった。2016/11/02
らて
13
中高生の頃、Newtonやら相対性理論の漫画解説本やらを読みながら、極小・極大それぞれの、想像を絶する世界観を想像しながらワクワクしていた頃を思い出した。 久しく使っていなかった場所の脳が刺激された気がする。2017/10/29
プラス3
9
今年読んだ重力波の入門書で1番の出来かもしれない。一般相対性理論、検出器の原理、天体物理などを、詳し過ぎない範囲で初心者にも分かるように書かれている2016/12/10