幻冬舎新書<br> 子どものまま中年化する若者たち―根拠なき万能感とあきらめの心理

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幻冬舎新書
子どものまま中年化する若者たち―根拠なき万能感とあきらめの心理

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784344983878
  • NDC分類 371.47
  • Cコード C0295

出版社内容情報

認められたい。でも頑張るのはメンドクサイ。今そんな、子どもの心のまま人生をあきらめきった中年のように生きる若者が増えている。子どもから青年までの若者世代を30年以上ウォッチし続けた精神科医による衝撃のレポート。

内容説明

幼児のような万能感や自己愛を引きずる。異性より親が好きで、いつまでも親離れしない。周囲には認められたいけれど、そのために努力するのは面倒で、日々ささやかに幸せに暮らせればいい―今、そんな、子どもの心のまま人生をあきらめきった中年のように生きる若者が増えている。なぜ先進国の中でもとりわけ日本で、このような変化が起きているのか?子どもから青年までの若年世代を30年以上ウォッチし続けた精神科医による、衝撃のレポート。

目次

第1章 いま若い世代に起きていること(もはや動物でなくなりつつある―学童期の子どもたちの変化;あきらめ、流されて生きる―思春期の若者たちの変化 ほか)
第2章 精神科臨床30年の現場から(思春期・青年期の心の病の変容;古典的な対人恐怖症から「ふれあい恐怖」「承認不安」へ ほか)
第3章 悩めない、語れない若者たち(すべてにおいてエネルギーが低下―元気のない若者たち;反射的・断片的なコミュニケーション ほか)
第4章 「青春」がなくなった人と世界(世の中から失われたもの;新たに、我々の環境に溢れてきたもの)
第5章 日本人はこのまま衰退するのか

著者等紹介

鍋田恭孝[ナベタヤスタカ]
1947年愛知県生まれ。医学博士。臨床心理士。慶應義塾大学医学部卒業。同大学精神神経科助手、講師、宇都宮大学保健管理センター助教授、防衛医科大学校精神科講師、大正大学教授等を経て、2013年3月まで立教大学現代心理学部教授。現在は、大学で教鞭をとる傍ら、青山渋谷メディカルクリニック名誉院長、NPO法人・青山心理グローイングスペース理事長として臨床にあたる。欧州共同認定サイコセラピスト。専門分野は心身医学、臨床心理学、児童・青年期精神医学、うつ病臨床など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とろこ

69
「最近の若者は…」という嘆きは、メソポタミアの時代からあったらしい。本書でも、精神科医である著者が、現代の若者が抱える心理を、臨床例と時代背景を鑑みながら考察している。解説されている心象風景は、自分と重なり合う部分も多く、耳が痛かった。しかし、当てはまらない点も少なくなかった。共感したのは、エネルギーが弱くなっている、という点。違和感を覚えたのは、「症状を明確に出すだけの悩みぬく力がなくなった」という点。古典的症例と比べて、現代的な症例が、苦しみが少ない訳ではないと思う。読みやすい本ではあった。2019/01/04

ふぅわん

66
【今時の若者とは】臨床心理士の著者の視点で考察された作品。ここでの若者とは何歳まで⁈私の世代が違うからこそ感じる矛盾もあるけれど「心の健康・強さは4歳から10歳の養育で決まる」とある。どんな養育書にも書いてあるような気もするけれど、たしかに大切。また幼児の時から、子供だけど大人扱いした視点で養育してあげた方がいい。大事にされすぎて大人になった人が増えてる気がする。指示待ちする若者、エネルギー低下しちゃうよ。若さゆえのエネルギー出しちゃおうよ。新社会人にはキツメの本かもしれないけど読むのはアリかも。2019/05/12

壱萬弐仟縁

44
立ち直ろうとする力、悩む力が落ちている(12頁)。姜尚中『悩む力』集英社新書 を想起した。先生、コーシロ、アーシロと子供の頃から言われていたのに、突然、気を利かせろはムリ、指示待ちなんです、と(13頁)。それはそうかもしれないが、著者はカウンセラーの卵にそれはないんでは、と違和感、疑義を呈される。車は欲しくない、コスパには敏感(49頁~)な若者。ミニマリストが取沙汰される背景に注目したい。高学歴神話が生んだ悲劇(96頁)。私も一信者でこんな人生になってしもうたね。幻想は捨てないといけない。2016/01/19

マエダ

40
いつまでも親離れせず、遊び気分を抱き、ファンタジーの世界を好み、未熟な自己中心性を抱き、友達からの承認を求め続ける など子供のままの生き方をする。その一方、リスクを避け、今の生活レベルを守り、家族だけを大切にし、上から言われたことには反抗せず、わくわくすることよりもゆったりできることを望み、何よりも居心地の良さを大切にするという。2023/10/08

リキヨシオ

37
情報や遊びに溢れている時代に子供のまま中年化する若者達…動かず与えられることを望む植物化する男子と目の前の事や相手に反射的に反応して浅い関係性で日々を過ごすクラゲ化する女子。反抗期がなくなり親元から離れない無理はしない。何をしていいか分からず悩む。心に閉塞感を抱えて多くをお望まない。根拠なき万能感と傷付きやすい自己愛何事にもすぐに具体的な答えを欲しがる。不幸ではないけど不安はある。じゃあ若者自体が悪いのかと言えばそうではないと思う。大人が作った劇的な社会環境の変化に人格形成がついていけないような気がする。2015/09/03

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