内容説明
日本人の死に対する考えは不思議だ。生と死を厳密に分けず、つながっている感覚を持ち、死者への親近感や依存度が高い。その一方で「死は穢れ」という概念があり、葬儀後の「清め塩」や数字の「4」を避ける習慣がある。また、戦時中の神風特攻隊は、武士道が謳う死の美学を身をもって貫き敵国を驚かせた。元キリスト教徒のドイツ人禅僧が、日本と欧米社会を中心に比較しながら、曖昧な日本人の死生観と理想の死について考察する。
目次
第1章 複雑な死生観を持つ日本人(「ご先祖様信仰」は日本人特有の死生観;古来日本人の死生観はギリシャ神話と似ている ほか)
第2章 世界の国と宗教は死をどう考えてきたか(キリスト教;中国 ほか)
第3章 禅から考える、私にとっての死(坐禅から死を考える;坐禅とは、自分を手放すこと ほか)
第4章 多様化する日本人の死(いい加減すぎる、日本仏教の死後の世界;失われるのではなく、形を変えるのが命 ほか)
第5章 死を受け入れるには(自然なのは「枯れるような」死に方;「元気で長生き」はしなくていい ほか)
著者等紹介
ネルケ無方[ネルケムホウ]
1968年生まれ。ドイツ・ベルリン出身。禅僧。曹洞宗・安泰寺住職。ベルリン自由大学日本学科・哲学科修士課程修了。牧師を祖父に持つ家庭に生まれる。一六歳で坐禅と出合い、90年、京都大学への留学生として来日。兵庫県・安泰寺に上山し、修行生活に参加。93年、出家得度。2002年より現職。国内外からの参禅者の指導にあたっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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