内容説明
「若者がモノを買わない」時代、唯一旺盛な消費欲を示しているのがヤンキー層だ。だが、ヤンキーとはいっても鉄パイプ片手に暴れ回る不良文化は今は昔、現在の主流はファッションも精神もマイルドな新ヤンキーである。本書では密着取材とヒアリング調査により、「悪羅悪羅系残存ヤンキー」「ダラダラ系地元族」に分化した現代のマイルドヤンキー像を徹底解明。「給料が上がっても絶対地元を離れたくない」「家を建ててはじめて一人前」「スポーツカーより仲間と乗れるミニバンが最高」など、今後の経済を担う層の消費動向がわかる一冊。
目次
序章 マイルド化するヤンキー―悪羅悪羅系残存ヤンキーとダラダラ系地元族
第1章 地元から絶対に離れたくない若者たち―マイルドヤンキー密着調査
第2章 マイルドヤンキーの成立
第3章 ヤンキー135人徹底調査
第4章 これからの消費の主役に何を売るのか
特別収録 東京都北区の残存ヤンキーに聞く
著者等紹介
原田曜平[ハラダヨウヘイ]
1977年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、(株)博報堂入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、現在、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。多摩大学非常勤講師。2003年JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。専門は若者研究で、日本およびアジア各国で若者へのマーケティングや若者向け商品開発を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
377
著者は博報堂で若者向けのマーケティングを担当。ここでいうヤンキーについては概ね知っていたつもりだったが、それにしても彼らの「ジモト愛」がここまでとは思わなかった。何しろ「地元」の範囲はたった5km四方だというのだから。そして、中学校時代の同級生たちとずっと一緒に過ごすのが無上の幸せであるらしい。しかもイオンモールが「夢の国」と聞くに至っては、彼我の価値観の差には埋めがたいものを感じる。著者は仕事柄、こうした層をターゲットにした消費戦略を終章で提案しているのだが、さてどうだろうか。2017/09/29
mitei
196
この方の本はこれで2冊目だがいつも今時の若者についてよく調査してるなぁと思う。私の地元の友人もみなそのような傾向があるなぁと気付いた。日本が成熟してきたのに合わせて若者も変化してくるし、今後も成熟社会が続く限り平安、江戸時代のような社会に向かうのだろうと考えさせられる。2014/02/23
とも
97
バリバリのヤンキーではなく、マイルドなヤンキーの消費がポイントになっていく。 安定と地続きの平穏な生活。 地元の仲間と家族を大事にする。 テレビでもお笑い芸人や歌手なんかでも、ヤンキーの力が強そうなの伝わってくるから、影響力はあるんだろうなぁ。2021/09/04
林 一歩
61
喧嘩売ってる訳ではないが所謂ヤンキーと呼ばれる方々が苦手です。その昔、故ナンシー関女子が「日本はヤンキーとファンシーで成り立っている」的な事を書かれ、当時は分かったような分んないような微妙な感覚でしたが、今は痣が出来るくらいに膝を打つ。ヤンキーを「新保守層」と位置づけ、半径5mの世界で満足し消費を謳歌する彼らを否定できようか。 それでもやはり、私はヤンキーと呼ばれる方々が嫌いです。2014/02/15
ワダマコト
59
これはなかなかおもしろい指摘。僕は田舎に住んでいるからなおさらわかる。生まれた地を出たがらない人は本当に多い。郊外のショッピングモールにはいつだって若者であふれている。その店を出たら最後、彼らが集まっている場所を見る機会はあまりない。これはヤンキーに限った話ではない。普通の20代も同じような生活をしている。そして、こういう世代が近い将来の消費のメイン層になる。その時代にはどんなサービスや商品が必要なのか。「マイルドヤンキー論」、興味深い。2014/02/17