内容説明
宇宙の全質量のうち、星や星間ガスなど「普通の物質」が占める割合はほんの5%弱。残り27%を「暗黒物質」(ダークマター)、68%を暗黒エネルギーが占めている。暗黒物質は今この空気中にも大量に存在するが、一切の光・電波を発しないため見ることができず、いまだ「正体不明(ダーク)の物質」だ。だが暗黒物質がなければ星も銀河も生まれず、まさに暗黒物質こそ宇宙創成の鍵を握る。その発見を目指して世界中で激しい競争がくり広げられる今、研究の最前線に立つ著者が、謎の物質の正体に迫る。
目次
第1章 宇宙に満ちている「見えない何か」(神岡鉱山地下1000メートルに設置されたXMASS;「ある」のはたしかだが正体不明な暗黒物質 ほか)
第2章 暗黒物質の正体に迫る(物質を構成する最小の単位「素粒子」;素粒子群とそこに働く力を説明する「標準模型」 ほか)
第3章 暗黒物質をキャッチせよ!(地球に絶えず飛来している「宇宙線」とは?;カミオカンデはニュートリノをキャッチ ほか)
第4章 XMASS実験の壮大な挑戦(カミオカンデの第一目的は「陽子崩壊」観測だった;XMASSの最初の目的は「太陽ニュートリノ問題」解決 ほか)
第5章 私は「実験屋」(「科学」と「技術」は同じではない;物理学の「理論屋」と「実験屋」 ほか)
著者等紹介
鈴木洋一郎[スズキヨウイチロウ]
1949年、東京都生まれ。京都大学理学部卒業。同大学院博士課程修了。専門は素粒子物理学。ブラウン大学研究助教授、大阪大学助手等を経て、96年、東京大学教授に就任。2004年4月から08年3月まで東京大学宇宙線研究所所長。現在、東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設長、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)副機構長。01年仁科記念賞受賞。スーパーカミオカンデ実験における太陽ニュートリノ観測が高く評価され、10年ブルーノ・ポンテコルボ賞、13年ヨーロッパ物理学会コッコーニ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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