内容説明
四百年余り続く歌舞伎界には團十郎、菊五郎、歌右衛門など歴史ある名跡がある。その中で、江戸後期に誕生した「猿之助(=澤瀉屋)」は、常に奇抜なアイデアを創造し、伝統・秩序への反骨精神で劇界全体を隆盛させてきた。門閥主義に捕らわれず、根っからの新し物好き、高尚さより観客が喜ぶ芝居を追求してきた彼ら新興一門は、どう生まれ花開いたか―。その存在に長年刮目する著者が、異端の血筋の歴史をたどる。「革新に次ぐ革新」という伝統に光を当てた新しい猿之助伝。
目次
序幕 劇界の孤児
第1幕 遊廊と猿之助
第2幕 二代目猿之助と小山内薫
第3幕 歌舞伎界の風雲児
第4幕 猿翁への道
第5幕 けれんの三代目猿之助
終章 四代目猿之助のゆくえ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
showgunn
10
歌舞伎については全く知識も興味もないのだが小谷野敦氏が書いているからということで読んでみたけどやはり興味のない本を読むのは大変なことだった。飛ばし飛ばし読んだ。 あとがきに「世間全体が、演劇などに関心がなくなっているのだ」とあるんだけど、専門家ではないゆえにちゃんと現状がわかっていてこういうことをはっきり書けるのはいいなと思いました。2016/08/24
rinrinkimkim
0
小谷野さんという方がこの1冊を通して何を言いたかったが最後の最後までくみ取れずに終わりました。中川右介さんに触発されてオモダカヤを書いたとなっていますが、その芸については読み落したのかわかりませんでした。女性週刊誌の内容などもとりいれられているのにはびっくりでした 2012/08/30
keiトモニ
0
1875年1月に、8代目坂東三津五郎がフグ中毒で死去したことが話題になったくだりが、懐かしく唯一おもしろかったね。読んだ後にテレビで猿之助や香川照之らがでていて、亀治郎が猿之助襲名、俳優・香川照之が歌舞伎界進出へとの報道に感慨ですね。2011/10/29
みつひめ
0
このタイミングで読んでいたということに、まずはびっくりw。そして、最後の章で小谷野さんが亀ちゃんと香川さんについて書いていたのに、またまたびっくり。へぇ〜なエピソードもあったけれど、一気に読めなかったせいか、三代目以外についての章では、これって何代目の話???となりがちだった。2011/10/01
かたつむり
0
まるで、歴史の教科書を読んでいるようでよくわかりませんでした。2011/07/31