内容説明
「高齢者は入院するとボケる」とはよく聞く話だが、その多くは、薬が原因で単なる一時的な認知障害(せん妄)に陥っているだけ。にもかかわらず、その状態を「認知症が始まった」と判断し、さらに薬を増やす医者が数多くいる。不要の薬を何種類も飲み続けることで、認知症にさせられてしまう悲劇を、どうしたら防げるのか。間違いだらけの診察・投薬から大切な家族を守るために身につけたい薬の知識。処方されたら要注意の薬剤リスト付き。
目次
第1章 間違いだらけの認知症
第2章 認知症とせん妄
第3章 薬物によるせん妄
第4章 せん妄をどう識別するか
第5章 アリセプトを処方されたら
第6章 それで予防できるか
著者等紹介
浜六郎[ハマロクロウ]
1969年大阪大学医学部卒業。内科医師。NPO法人医薬ビジランスセンター理事長。阪南中央病院に二〇年間勤務。86年に医薬品情報誌「正しい医療と薬の情報」を創刊、副編集長を務め、医薬品の安全で適性な使用のための研究と情報活動に取り組む。2001年からは季刊誌「薬のチェックは命のチェック」を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
18
認知症になる高齢者は年々増えてはいるが、薬の副作用によるせん妄であるケースである事も少なくはない。薬の副作用でせん妄等の精神障害になってしまったケースがいくらか紹介されているが、暴力や自殺に寿命を縮める事も多い例もあるのは恐ろしい。2022/12/27
pom
5
臨床で患者の内服薬を確認していると、ものすごい種類の薬を漫然と継続処方されていることがよくある。そして精神科の薬の影響でせん妄になったのではないかと思われる事例も見る。医者の方針に疑問を持つこと、薬の副作用をしっかり確認することなど、日本ではうるさい患者と嫌がられることうけあいだが、素直な患者でいるがために薬漬けの認知症もどきさせられることを考えたらやはりその辺の自己防衛は必要だと思ったよ。2017/09/10
みのにゃー
3
信頼できる医師に出会うことの、なんと難しいことか!自衛しないと。父、ガスター飲んでた。・・・肝性脳症が落ち着いてもせん妄だったのは、ガスターのせいもあったかも。2013/12/04
のふし
2
先日家族が薬によるせん妄を発症したのをきっかけに読んでみた。認知症に限らず処方された薬に安心することなく、知識で以て自己管理していかなければ危険。2012/08/19
Humbaba
2
薬には,効果もあれば副作用もある.そして,残念ながら処方された薬がすべて自分の症状に合っているという保証はない.自分の判断だけで薬をやめてしまうのはまずいが,自分で知識をつけて,専門家に質問に行くことは自衛のためにも考えてみると良いだろう.2012/03/07