内容説明
法律なんて堅苦しいし窮屈だし自分には関係ない…と思っていないだろうか?しかし、もし法律がなかったら、殺人も泥棒もやり放題、借金だって踏み倒しまくりで、世の中はメチャクチャになってしまう。君が今、自由で安全な毎日を送れるのは、365日24時間体制で法律に守られているからなんだ。では法律さえあれば社会は安定し、正義は実現するのか?君の自由と他人の自由が衝突したら、法律はどう調整するのか?憲法・法律・裁判の歴史と仕組みを、身近な話題を交えてやさしく講義する。
目次
第1章 法律って本当に必要なんだろうか?
第2章 ぼくの正義、君の正義、みんなの正義
第3章 なぜ人を殺してはいけないのか
第4章 自由と民主主義の微妙な関係
第5章 権利を実現するのは大変だ!
第6章 法律を読んで頭を鍛える
第7章 日本人は裁判が苦手?
著者等紹介
荘司雅彦[ショウジマサヒコ]
1958年三重県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧日本長期信用銀行に入行。その後、野村證券投資信託を経て、88年司法試験合格。91年弁護士登録。平均的弁護士の約一〇倍の案件を処理する傍ら、各種行政委員等を歴任。2008~09年SBI大学院大学教授。コメンテーターとしてテレビ・ラジオにも多数出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
56
平易な文体でとても分かりやすく書かれた法律の入門書。すぐ読めるから一度読んでみても損はないです(^^)v中学生向けに書かれてはいるがもちろん大人でも十分納得できる内容です。とはいえ、法律の持つ理不尽さに気付かされて腹立たしく思うところはありましたけどね。2014/02/27
大泉宗一郎
23
自分はもう十三歳ではないし、十三歳の時ほど柔らかな思考力もないけれど、それでもというか、だからというか、作者の言葉がすっと頭に入って来た。でも、作者はその言葉を鵜呑みにするなという。物事についての是非は、キミが判断してください。間違った結論でもいいから、考えてくれ、と。本書は思考力を鍛える類いの本ではないけれど、作者の誠意が随所に表れているし、法律の背景や社会的な問題についての記述も、わかりやすく論理的になされていて、かなり好感がもてた。十三の自分に薦めてやりたかった。2016/04/18
白義
21
「法」に関する最初の入門書としてはひときわ抜けた本だと思う。新書一冊に平易な語りかける口調で法律のそもそも論、アリストテレスからホッブズロックにロールズまで思想史もこなし、具体的な条文の読み方や考え方も教えてくれて基礎が身に付く。入門書とはわからせるとこだけでなく、わかったつもりでいたものをあえてわからなくさせる技量がその誠実さを決めるが、自由と自由放棄のジレンマなど厄介なテーマにもきちんと向き合い子どもに伝えようとする著者の姿勢にかなり好感が持てた2013/08/06
井の中の蛙
8
最近法学部の方と話す機会があったので、これまで全く興味がなかったが読んでみた。「権利の上に眠る者は保護せず」という言葉が新鮮だった。民法と刑法の違いなど、基礎から知ることができてよかった。2024/03/16
銀雪
8
友人が読んでいたので興味を持った。私も法学部のゼミに出入りしてるし。平易な話し言葉で書かれていて、漫画やテレビ番組などを用いた卑近な例えも多く、とても読みやすい。このテのタイトルの本は対象年齢の人には読みづらいイメージがあるけれど、これは本当に13歳で読んでもわかりやすいのではないかと思う。学校の校則との違いから始まり、法律とは本来こうあるもの、という基本の部分をじっくり知ることのできる1冊だった。大陸法や英米法についてや、法律の解釈のくだりが興味深い。2011/12/16