内容説明
ブッダとは「悟った人」の意味だが、その悟りへの歩みは、生後間もない息子に「ラーフラ(=邪魔者)」と名付け、妻子を置き去りにして出奔することから始まった。「人とかかわるな、交わるな」と説いたブッダは、「女の究極目標は相手を縛り支配すること」と断じ、女の出家に最後まで難色を示し続けた。ようやく尼僧を許可した後も、女の存在が仏法を駄目にすると愚痴って弟子を悩ませる。この徹底した女性への警戒心、恐怖感はどこからきたのか。原始仏教経典を精緻に読み込むことで見えた、生みの母、育ての母、妻との愛に苦悩する、知られざるブッダの姿。
目次
経典の話
第1章 マーヤー―「まぼろし」という名の母(「まぼろし」という名の母;ブッダの父母の家系―シャカ族とコーリヤ族 ほか)
第2章 マハーパジャーパティー―許されざる愛(マハーパジャーパティーはブッダの乳母、養母だったか?;シッダッタと異母弟ナンダの年齢差が語ること ほか)
第3章 ヤショーダラー―捨てられた妻(ブッダはなぜ、出家したか―出家か家出か;妃の家系~極悪人デーヴァダッタとのかかわり ほか)
著者等紹介
丘山万里子[オカヤママリコ]
東京生まれ。桐朋学園大学音楽学部作曲理論科卒。同大学助手を経て音楽評論の道に入る。『音楽現代』誌第一回新人評論、新人賞受賞。日本大学文理学部非常勤講師。現代作品における東洋思想を軸に、日本の作曲家論を中心とした評論を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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S.Mori
hikarunoir
in medio tutissimus ibis.
さとー
Humbaba