内容説明
「人間は見返りを求めるけれど、この子だけは無償の愛を私に注いでくれる」―もはやペットなしでは生きられない現代人。いい大人がなぜ恥ずかしげもなく溺愛ぶりをさらしてしまうのか?なぜもっと人間には優しくできないのか?動物愛護運動はなぜ暴走するのか?イヌ一匹・ネコ五匹と暮らす著者が自らのペット偏愛歴を初告白。「人間よりペットを愛してしまう心理」を自己分析しながら、ペットブームの語られざる一面に光をあてる。
目次
第1章 戸惑いのペットブーム
第2章 医者も頼りにするペット
第3章 私のペット偏愛歴
第4章 メロメロ知識人が増える理由
第5章 ペット愛の新しいかたち
第6章 暴走する「動物愛護」
第7章 ペットロスは理性を超えて
第8章 なぜイヌやネコでなければダメなのか
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
1960年札幌市生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。帝塚山学院大学人間文化学部教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会批評、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つーこ
15
作者が精神科医なだけに、ペットに対する依存心を丁寧に分析して時代と照らし合わせて解説されてあり、納得する部分が多かった。ちょくちょく当てはまるところもあった。でも、ちょっと極端すぎやしませんか?そんな大げさな事じゃないんだけどな・・と、ちょっと反発心も生まれたり。ペット依存の究極のかたちを紹介している、と受け取った方がいいのかな。何事も行き過ぎは良くないので、常識的な範囲で暮らしましょう。2012/10/09
manamuse
14
まぁ、少子化とペットの急増は関係ありそうよね。別にタイトルのような人たちの話ではなかった。私もペットは家族です派です。2025/06/08
rokoroko
9
職場の人がネコ15匹飼っていて、先日旦那を放り出したと聞いて読んでみた。猫と人とどっちが大事?と聞かれても答えられない人がいるんだなと思った。2013/03/15
B.J.
8
●義務教育の給食費の滞納が22億円にものぼっている。 :払わない親の言い分として、”携帯電話 代がかかる”とならんでよく取り上げられるのが”ペットの美容代がかかる”だ。 ●ペットが少子化の原因になっている。・・・本文より 2020/02/21
まりにゃ
8
動物愛護は、本来、心の豊かさや優しさから生まれる気持ちなのに、それがどうして、こんなにも歪んでいってしまったか。現代人を囲むストレスと、精神的な闇の深さ。ペットビジネスの商業主義が加担するところも大きいと思う。「イヌネコにしか心を開けない人」ではなく、「人間はもちろんイヌネコにも心を開ける人」でいてほしいし、自分もそうありたいと願う。2014/05/20