内容説明
黙秘する被告人を追いつめるどう猛な検事、刑を軽減するために万事を尽くす弁護人、苦悩しながら無罪判決を言い渡す裁判官、記録をとる以上の仕事をしている書記官…元裁判官だから知っている法廷の本当の見所、傍聴人の心得を克明に記す。開廷前に繰り広げられる弁護人と検事のやり取り、大事な証拠品の写真や図版にミスが多いことなど、思わぬドラマや数々のハプニングを公開。傍聴初心者から上級者まで納得の法廷入門・決定版。
目次
第1章 傍聴初心者の心得(開廷日は決まっている;午後五時までには終了するよう設定;庁舎管理と労働組合 ほか)
第2章 傍聴上級者も知らない裁判の見所(尋問で問われる弁護士の手腕;大事な証拠;意外にミスが多い図版 ほか)
第3章 裁判傍聴の活用法(本人訴訟対策のための傍聴;場数を踏むのが一番;尋問は自分の意見を言う場ではない ほか)
著者等紹介
井上薫[イノウエカオル]
1954年東京都生まれ。東京大学理学部化学科卒、同修士課程修了。民間の研究所に就職後、独学で司法試験に挑戦し合格。86年判事補、96年判事任官。司法行政の裁判干渉に抵抗し、裁判官の独立を守り抜いたことで知られる。2006年、横浜地裁判事を最後に退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こうちゃ
13
☆4 元裁判官だから知っている法廷の見所、傍聴人の心得を克明に記した”裁判傍聴のススメ”本。初心者にも上級者にも、どちらが読んでもわかりやすいと思う。傍聴人も裁判官に観察されていることや、初心者はまず地裁の刑事事件がオススメというのは大変参考になった。2016/03/12
千尋
7
近々裁判傍聴に行ってみようと思い、読んでみた。少し身近に感じられるようになったかな。裁判官の視点から裁判について書いてある。人ひとりの人生を決めなければならない裁判官の負担は相当なものだと思う。2014/02/16
telephone
4
元裁判官の著。分量は少ないが、裁判の基本、傍聴のコツから、裁判官の悩みまで色々と書いてある。定年退職したら、傍聴してみたいと感じた。2019/10/27
ラスコリ
3
裁判官としての人間的な内心を知ることができる本。 当時裁判官だった著者の裁判の最中の本音も垣間見ることができた。 2017/06/16
lop
3
タイトルが微妙ですが、元裁判官による傍聴で知っておくべきこと、裁判とはどのようなことかがわかりやすく書かれています。そして裁判官側から見た裁判についてや、昨今の傍聴ブーム(?)に対する感想など、裁判に対する興味を持った人に対する親切な内容でした。個人的には一度傍聴してみたいですが、人の人生がかかったところにそんな気持ちでいっていいものか悩みます。。。2016/06/13