内容説明
人前に出ると不安で息苦しい。人が恐くて学校や会社にも行くのもイヤ―そんなあなた、ただの「内気」ではなく「社会不安障害」という病気かもしれません。本書では、うつ、アルコール依存症に次いで多い精神疾患といわれる社会不安障害を中心に、不安を主症状とする心のトラブルをやさしく解説。薬とのつきあい方から、偏った思いこみの修正、緊張を和らげるトレーニングまで、現代人に日々押し寄せる「不安」への対処法を教えます。
目次
第1章 みんな不安を抱えている(「不安」に取り囲まれた現代;「社会不安障害」という病気 ほか)
第2章 それって「社会不安障害」?(みんなとても悩んでいる;無視されてきた病気 ほか)
第3章 不安を和らげる治療法(回復のための2つの柱;軽い不安、重い不安 ほか)
第4章 さまざまな不安障害(青天の霹靂―パニック障害;犬が恐い、飛行機が恐い―特定の恐怖症 ほか)
第5章 不安はコントロールできる(「不安のサイン」からわかること;一歩前に出る気持ちが大事 ほか)
著者等紹介
大野裕[オオノユタカ]
1950年生まれ。精神科医。医学博士。慶應義塾大学医学部卒業。コーネル大学医学部、ペンシルバニア大学医学部留学などを経て、慶應義塾大学教授(保健管理センター)。日本における認知療法の第一人者。執筆・テレビ出演・講演などを通して、広く啓発活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TomohikoYoshida
18
読みやすく分かりやすい本だった。「社会不安障害」をメインテーマとしているが読んでみると、自分の持っている不安障害はコレとは違うようだ。医療機関にはお世話になっているし、規則的な生活をしているし、休日はさぼり気味だが平日は少々の運動もしているし、不安な時ほど積極的になるように意識しているし、ということで、この本に書かれていたアドバイスには合致した生活を送っている。今日、「今の現場はよほど合わないんでしょうね」と主治医から言われた。ストレス源から逃げるのもひとつの選択肢だ。次の現場と相性がよいことを祈る。2021/07/31
ソラヲ
7
「不安」との付き合い方の指南書。まず、不安症は性格的な問題ではなく、医学的治療の対象であるということ。それから各種薬物療法、そして自分の認知(ものの見方)の歪みを自覚する方法としての認知行動療法が紹介されている。具体的には「エクスポージャ」という敢えて不安な場面に足を踏み入れる療法等。逃げるよりも向き合ったほうが不安は和らぐ。何でも病名をつける最近の傾向はまともに頑張っている人からすれば「甘えんじゃねぇ!」と言いたくなるかもしれないけれど、これで診断されて適切な治療を受けることで救われる人が大勢いるはず。2015/10/20
西嶋
7
社交不安障害を主として不安障害のメカニズムや薬物療法、認知行動療法、暮らしの中の工夫まで、読みやすい文章と文量で書かれていて、初めに読む書物として適していると感じた。2015/06/23
アルゴン
6
★★★☆ 社会不安障害の入門書。はじめは病気であるからと薬というアプローチを提示しながらも、最終的には認知行動療法をはじめとした本人の自立を促すアプローチに帰結。2017/08/24
こまち
6
「自分のことに目が向きすぎる」というのがぼくに当てはまっていた。自分のことばかり気にして周囲に目が向かなくなっていく、エネルギーの大部分が自分に向かっている。周囲の人のことを気にしているのに実際には自分のことだけを考える矛盾した状態。2017/02/23
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