幻冬舎新書
金印偽造事件―「漢委奴國士」のまぼろし

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  • サイズ 新書判/ページ数 229p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784344980143
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0295

内容説明

一七八四年、志賀島(現在、福岡県)の農民・甚兵衛が田んぼの脇の水路から発見したとされ、日本史の教科書にも掲載されているあまりに有名な「金印」。これは、建武中元二年(五七年)に後漢の光武帝が同地にあった小国家の君主に与えた「漢委奴國王印」と同定されたが、じつは江戸時代の半ばに偽造された真っ赤な偽物だった。では、誰が、何の目的で造ったのか?鑑定人・亀井南冥を中心に、本居宣長、上田秋成など多くの歴史上の文化人の動向を検証し、スリリングに謎を解き明かす。

目次

第1章 金印発光す
第2章 金印を鑑定する
第3章 亀井南冥の活躍
第4章 金印の解読 鈕と印文
第5章 真贋論争と中国の金印
第6章 亀井南冥の失脚
第7章 金印を発光させる
第8章 だれが金印を作ったのか

著者等紹介

三浦佑之[ミウラスケユキ]
1946年三重県生まれ。成城大学大学院博士課程修了。千葉大学教授。古代文学、伝承文学研究専攻。『口語訳古事記完全版』(文藝春秋)が第1回角川財団学芸賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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入江

17
面白い本っす。そんなことある? と読み進めました。著者なりに、悲しい思いをする人がでないよう気をつかわれています。ですがそれ以上に、この謎を明らかにすることに取り憑かれた切実な気合いがみなぎってます…。たしかに、あの形、ヘビには見えないですよね。それに字を略したって変ですし、そもそも…。いやはや反対意見も聞きたいですね。納得させられる部分もありますが、ちょっとそれは妄想がすぎるのでは、と思ってしまう部分も。というか、X線で解決するなら、やればいいのに。なんて勝手なことも思ってしまうのでした。2021/07/17

うえ

7
「金印「漢委奴國王」が贋作であるとした場合、作った時点では本物は存在しない。漢や晋の時代の印章は存在するので、印文や鈕形を参照することができる。しかも『後漢書』という権威ある歴史書に、「印綬」を与えたという記事が出てくるのだから…光武帝から金印を下賜されたという事実は保証されている。そよ記事を証拠として、これがその時にもらった金印であると主張し、印章の出来ばえがそれにかなうものであれば、ほとんどの人間は真印であると信じてしまう」著者は偽造の犯人を、最初に金印を鑑定した儒学者 亀井南冥だと考えているという。2021/07/28

HH2020

5
◎ 知人から「これは推理小説と思って読んでね、信じちゃだめよ」と念を押されて借用した本。もちろん、今さら金印が偽物だなんて言われても信じるものか。福岡の、日本の、宝じゃないか。著者は金印が偽物だと信じ込み、なんとかしてそれを証明しようと躍起になる。その執念には頭が下がる。犯人に仕立てあげられたのは儒学者の亀井南冥である。著者は自分の主張が正しいという自信は95%だそうで、本物であることが証明されたら南冥の墓前に額衝くそうだ。一途な人なんだな。実は読み終えて私も50%ぐらいは疑う気持ちが芽生えたと白状する。2021/11/13

おらひらお

4
2006年初版。読み物として面白一冊ですね。たしかに金印は怪しいのですが、著者の方法では怪しいとの指摘で終わると思います。やはり、金印の分析が必要なんでしょうが、金の比率ではなく、古代の段階で除去できなかった鉱物の有無を確認すべきでしょうね。近世段階だとかなり金は精製されていると思うのですが・・・。2013/08/30

いちはじめ

3
題材は面白いのだが、検証のレベルが低くて、信憑性がちょっと……。小説として書かれたのなら、楽しめたかもしれないが2006/12/27

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