内容説明
国が滅びた。希望が奪われた。それでも私は生きると決めた。強奪、内乱の日々。日本を目前にした疾病による船中隔離。国破れ、秩序が崩れ去った満州からの引揚げ。人間の壮絶な本性を目にした少女時代の記憶を綴ったノンフィクションエッセイ。
目次
亜細亜号車中で阿片運び屋の取り調べ
ソ満国境の関東軍駐屯地鶏寧
鶏寧での小学生時代
鶏寧関東軍食糧庁のお祭りの日
ソ満国境にある東安女学校に進学
戦時下などどこ吹く風のハルピン
奉天駅で終戦を知る
奉天駅前広場のソ連兵による略奪
ハルピンに戻って男狩りに遭う
国破れて残る山河もなし
南新京「森の市場」の廖承志さん
コレラ患者の遺体を極秘で始末
南新京から無蓋車でコロ島へ
「熊野丸」でのコレラさわぎ
終戦一年後、豊橋へ帰国
百年前の梅干し
結核で倒れたT子叔母
初めての東京
シベリア抑留で音信不通の叔父生存
ミステリアスな特捜部の叔父
著者等紹介
澤井容子[サワイヨウコ]
昭和8年2月23日、愛知県豊橋で生まれる。昭和26年3月、愛知県立豊橋時習館高校卒業。昭和29年3月、武蔵野音楽大学教育学科卒業。時習館高校在学中、現校歌作曲、続いて作詞、作曲、演奏すべてオリジナルのCD4本(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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