内容説明
市場は男性的に開拓するのではなく女性的に「育てる」時代へ。
目次
第1章 綻びだした「おっさん資本主義」―今はもう動かないアダム・スミスの見えざる手(男たちの行き先は、もうどこにもない;おっさん資本主義の発端はどこにある? ほか)
第2章 男のフロンティア精神だけでは「経済が崩壊する」―萎えた経済の課題はどこにあるのか(不毛な企業戦士はいかにして生まれたか;資本主義の根源的な課題 ほか)
第3章 成熟社会に必要なのは「女性資本主義」―新しい信頼型経済への兆し(二刀流微笑みの国タイに学ぶ;ニューハーフを認める二刀流の豊かさ ほか)
第4章 経済のパラダイムシフトとこれからの企業経営―女性資本主義の生かし方(これからのリーダーは「女性的リーダー」要素を持て;消えゆく人種、愛されるよりも恐れられる存在 ほか)
著者等紹介
高橋仁[タカハシジン]
株式会社ジンコーポレーション代表取締役社長。1968年、福島県二本松市生まれ。立教大学社会学部卒業。大手エステサロンで美容部部長を務めた後、2002年8月に株式会社ジンコーポレーションを設立。脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を2003年に出店。以来、全国171店舗に加え、香港、シンガポール、マレーシア、トルコなど海外にも続々と18店舗をオープン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
25
アダム・スミスの見えざる手の原動力は利己的な利益追求。個々の利益追求により役割分担が生まれ、社会も最適化するという理論。これは、成長、拡大、競合、市場占有という目標達成型の経営のイデオロギーとして機能してきたが、制度疲労を起こして久しい。女性資本主義とは、男子禁制ものでも、女性管理職や役員の数を増やすというものもない。信頼、共感、利他の視点で、顧客満足と従業員満足を一致させるような行動指針を組織内で共有すること。それにより、新たな需要が生まれ、消耗戦が回避され、企業価値が高まり、持続する経営が実現する。2015/05/06
madoka
4
さらりと読んでみた。これまでの時代に通用してきた「おっさん資本主義」はもう終わった。これからは、共感、信頼、愛情の深さが重視される女性資本主義の時代だと。現在の社会を見据えて、変化しながら生きていこうと決意できるような一冊。2014/10/10
Mark X Japan
2
タイトルや出版社の社長のイメージから、斬新な切り口のビジネス書だと思い読んでみました。しかし、嫌悪感しか感じられないような二項対立によるレッテル貼りよる、これからの正義は我にあり論には、ほとほとうんざりしました。また、レッテルの貼りかたには、かなり偏見に満ちています。さらに、著者の考えや理論には、根拠の乏しく飛躍し過ぎたものが多く途中から呆れました。発売時には、本屋で山高く平積みされていたので期待していた一冊でしたが。期待も大きかったこともあり、初の、☆:2.02014/11/30
西葛
1
「オキシトシンが次の経済を担う」が主題。 今の行き詰った経済を「おっさん資本主義」の限界だと喝破し、女性的価値観に乗っ取った資本経済にシフトしていくであろうという筆者の主張は正誤はわからないにせよ、デタラメではない。神経経済学の見地から見れば「おっさん」=「テストステロン」、「女性」=「オキシトシン」となり、テストステロンがもたらす攻撃性は疲弊しか産まない、「オキシトシン」が生み出す信頼、共感の部分こそ次の資本経済を担うことは納得はいく筋道。 2017/11/01
Tsutomu Yamamura
1
著者はエステサロンチェーンの創業経営者。これまでの経済や企業経営を「おっさん資本主義」(特徴は狩猟、開拓、征服)と名付けて、それを克服するものを「女性」(特徴は信頼、共感、利他)と位置づけます。このネーミング、両者の関係づけが全てと言える本。アダムスミス、ケインズ、マキャベリ、神経経済学?のほか、ユニ・チャーム、マザーハウス等の実例を紹介、論拠にしますが、かなり強引な印象です。ただ、顧客や従業員、そして社会との信頼、共感を基礎として経営することが大切という主張は間違いないと思いました。2014/12/27