内容説明
孔子、孟子、そして吉田松陰へ。なぜ松陰が幕末を代表するのかという問いへの明快な解答!
目次
第1章 近代的な主権国家創設の「神話」
第2章 ヒューム・孟子・吉田松陰
第3章 仁の拡張・拡大/美学的な段階
第4章 尊王論の純化/返魂的な段階
第5章 「政体」構想
第6章 二つの天皇
著者等紹介
石川忠司[イシカワタダシ]
1963年東京生まれ。立教大学文学部ドイツ文学科卒。文学士。東北芸術工科大学芸術学部文芸学科教授。文芸評論家。1989年に「修行者の言語中原中也試論」で群像新人文学賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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harass
64
吉田松陰は明治維新の誕生に非常に貢献したといわれるのだがさほどの業績があるわけでもないし、人物を育てたといってもそこまで多くない。ではなぜ、ここまで彼がもてはやされているのかと、著者は疑問を呈する。吉田松陰は近代国家創立の「神話」とされたと、著者は論じていく。吉田の生涯と彼の天皇主義者の思想を考察していく。個人的にあまり知識がない項目であるが、実にスリリングだ。2017/07/09
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「事前=主意と事後=効果だけが浮き彫りになって、肝心の行為自体が忘却される」という悪しき観念論を批判しながら、吉田松陰を「主権国家創設の『神話』を生き抜いてしまった人」と位置づけ、「優れた教育者や真の愛国者などという衛生的なイメージ」から離れ、「破格な人物が破格であるがゆえに必然的にそなえる暴力性や不穏さを丸ごと受け入れ」る試み。ドゥルーズのヒューム論も援用され、一気に読めるのに読み応え十分。2016/05/07
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