内容説明
世界遺産・藤湖のまわりを囲むようにそびえ立つ、静謐な佇まいの十燈荘。晩秋、秋吉一家がそれぞれの“趣味”にまつわる形で惨殺され、息子・春樹だけが一命を取り留めた。静岡県警の深瀬が捜査を進めると、住民たちの微妙な距離感、土地独特のルールが浮かび上がる。そして実は深瀬は、16年前の「十燈荘妊婦連続殺人事件」にも関わっていて―。犯人は一体誰か。なぜ秋吉家が犠牲となったのか。春樹だけが生き残った意味とは。
著者等紹介
由野寿和[ユウヤトシオ]
1990年福岡県生まれ。高校を卒業後に単身渡米。物語を愛する精神のもと作品を執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
138
読んだけど・・なんだかツッコミどころ満載な感じ(当方比)犯人捜しは相変わらず外す私(今年も?~汗)えぇ~貴女だったの?そして、言葉で操る不気味さと恐怖。風光明媚な高級住宅地の闇。最後までたどり着いて一番怖かったのはラスト1行。キャー!秋吉家の息子・春樹の意識が戻った事だけが救いだった。2025/01/12
yukaring
71
静謐な高級住宅地“十燈荘”で起こった残忍な一家惨殺事件。被害者達はそれぞれの趣味になぞらえた異様な死体で見つかる。誰がなぜこの絵に描いたような幸せな家族を殺したのか?人間の虚栄心や心の闇、土地に根付く魔力に翻弄される物語。唯一生き残った長男は意識不明の重体であり、刑事の深瀬は十燈荘の住人に狙いを定め聞き込みを進める。そして調べるほどに浮かび上がる微妙な人間関係や異様なルール、裏の顔。過去にこの地で起こった「妊婦連続殺人事件」との繋がりも垣間見え…。家族の絆や呪縛について考えさせられるクセが強めのミステリ。2025/01/12
はっせー
58
由野作品2作目。本書も楽しく読むことができた!そして読むページを止めることが出来ない作品であった!高級住宅街で起きた一家殺人事件。主人公深瀬は単独で捜査をしている。それは過去に起きた事件と密接な関わりがあると踏んだから。登場人物皆が嘘をついており、その嘘から真実へ少しずつ向かっていく感覚が心地よかった。読めて良かった作品!2024/10/16
sayuri
50
上流家庭が集まる高級住宅地・十燈荘で起きた一家惨殺事件と16年前に起きた「十燈荘妊婦連続殺人事件」。二つの事件の真相を「死神」の異名を持つ静岡県警の深瀬が追う。登場人物の誰も彼もが怪しく最後まで犯人を見極める事が出来なかった。SNSで見せる顔と現実とのギャップ、現代社会の闇を織り交ぜながら物語は展開していく。家から出る事なく住人だけが使えるコミュニティサイトのみでの交流に薄ら寒さを感じる。住民間で渦巻く見栄やプライドなど人間の持つ様々な負の感情に心が冷えていった。真相が明らかになっても不穏なラストに鳥肌。2024/11/08
さっちゃん
42
湖を見下ろす高級住宅街の十燈荘で一家惨殺事件が発生し、息子だけが意識不明の重体で発見される。「死神」と異名を持つ静岡県警の深瀬は単独で捜査を始めるが…。/十燈荘の住民限定のSNSサイト、高額会費の自治会、過去の妊婦連続殺人事件と怪しげな謎が多くてそそられるスタート。しかし読み進めるにつれモヤモヤと落ち着かない。オカルトにしては弱く、警察モノとしてはリアリティがなさすぎる。深瀬のキャラも変わっていき、洗脳の理由や手段も不明。駆け足の解決では驚きも納得もさほど感じず…。消化不良で辛口レビューごめんなさい💦2025/01/26