内容説明
日本の「ITガラパゴス化」の原因は最下層のSES企業が不利な立場におかれる多重下請け構造にある。金融業界からキャリアチェンジした独立系IT企業のCEOが業界の歪んだビジネス構造を暴く。
目次
第1章 海外との差は開く一方…技術革新で後れをとる日本のIT業界(国際的に後れをとる日本のIT業界;IT人材の社会的地位の低さ ほか)
第2章 「ITガラパゴス化」の原因は業界の歪んだビジネス構造にある―最下層のSES企業が不利な立場におかれる多重下請け構造とは(他業界から見たIT業界の歪さ;SIerとSES企業との関係 ほか)
第3章 遅れるイノベーションと劣化するシステム―多重下請け構造が招く技術遅延の連鎖(薄利多売に陥るSES企業;低価格受注からの脱却を目指すSES企業の苦闘 ほか)
第4章 SIerとの賃金格差、たらい回しにされる現場、過酷な労働環境…下請け企業ゆえに理不尽な扱いを受けるSEの悲鳴(SEを苦しめる不当な扱い;賃金格差という不条理 ほか)
第5章 発注者とSES企業が直取引できる事業スキームを構築するために―国際的に戦える日本のITエンジニアが育つ業界を目指して(多重下請け構造からの脱却を目指して;会社の現在の立ち位置と課題認識 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
smatsu
2
日本のIT業界はその営業形態によりいくつかの領域に分かれている。1つは何等かのSaaSを運営するいわゆる自社サ系、2つ目は企業のWebサイトの制作を請負ういわゆるWeb系、3つ目が大企業のシステム構築を多重下請けでこなすSI業界です。本書で扱っているのはこのSI業界で、日本のIT業の8割くらいの仕事がこれで回っているが、生産性も上がらずイノベーションも起こらない歪んだ業界構造になっている(世界でもこんなのは日本だけ)。このSI業界の異常さを改めて赤裸々に記載した内容です。著者は(続きはコメントへ記載2025/01/19
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