内容説明
過去と現在が織りなすみずみずしくも切ない愛の物語。青春時代に想いを寄せた女性と思いがけず再会した貴藤。よみがえった記憶に二人の時間は自然と重なった。しかし動き始めた時計は悲しい結末へと進む―。
著者等紹介
小石川将介[コイシカワショウスケ]
岡山県出身。大学卒業後、会社勤めのかたわら小説を執筆。現在は拠点を兵庫県に移している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみ
62
非想非非想天…。まさに彼の境地ではなかろうか。彼は彼女との思い出に酔いしれて、あるわけないけれどあったらいいという夢想に投身していた。思い出は思い出の先を期待したら悲劇になる。そこで笑えれば喜劇になるが、果たしてそれをこの鬱然とした愛は許すのか。偶然の再会は偽りの縁、再びの逢瀬は忘れ難きあの日の熱情を蘇らせる。本当の気持ちなんて本人にしか分からない。それがもどかしいがどこかそのもどかしさを楽しんでいる一面も見受けられた。大人になったら環境が心のブレーキをかけるのか…。最期の告白、正直な彼女の言葉に驚く。2023/02/28
koba
1
熟年の恋愛小説?姉と妹との三角関係?主人公の心境が全く理解できない。最後の遺書も不明。「死語開封」とあるのになぜ早く読まないことを詰るのか。全く解せない。 2023/04/07
ekoeko
1
沖縄に旅をした48歳の貴藤は宿泊したホテルで20年前に別れた聖子と再会する・・・いくら年月が過ぎているとはいえ恋人だった聖子とその妹・耀子の区別がつかない貴藤、姉の日記や手紙を盗み見て貴藤に片想いしていたとか理解できない耀子。よくわからない物語だった。2023/03/22
wakazukuri
0
最後になってやっと感動した。なんだか文章が理屈っぽくて、時々投げ出したくもあった。成り行きが理解できないというか納得できないところもあったが、これが作者の意図なのかもしれない。登場人物は少ないが、その人々とのやり取りの時だけ人間を感じたというか読みやすかった。しかし納得できる気はしなかったが。最後感動したというか、遺書で死後読んでと言われそのとおりしたら、なんと読んでほしかったとは。結局心は通い合いながら、どこかでずっとすれ違っていたのかもしれない。なんだか疲れた。2024/06/03
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