内容説明
目に見えているこの体は誰だろう、誰のだろう、ぼくか、ぼくのか、しかし、ぼくとは誰だろう。船が難破し、一切の記憶を失った光。蘭の花が香る清艶な女性に導かれたのは、混沌と秩序がうねり合う“ナーダの国”であった―。神秘の島で解き明かされていく彼自身の正体とは。圧巻のファンタジー小説。身体全体が真っ白なペンギン、十年に一度咲く睡蓮、瓶詰めの「神のあくび」を売る店、土星の輪を千切りにした五目ラーメン…。この世のすべての文化と民族が集結する国で、真の自分を探し求める終わりなき旅が今、始まる。
著者等紹介
茂木光春[モテギミツハル]
昭和11年3月6日埼玉県深谷市に生まれる。平成8年県立浦和第一女子高等学校退職。三田文学会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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