内容説明
事務職のアルバイトをそつなくこなしながらもどこか物足りない毎日をすごす、琴。ある有給休暇の金曜日、気が付くと知らない場所にいた。そこは夢と現実が交差する不思議な空間で―。彼女の「自分を探す旅」がいま始まろうとしていた。気がつくとそこは静寂に包まれる森の中だった。傍らには眠りこける黒猫に、鉛筆と消しゴムとスケッチブック。あざやかに紡がれる幻想的な物語。
著者等紹介
黒田真由[クロダマユ]
推しを糧に、いつもギリギリで生きている兵庫県人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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波多野七月
9
色とりどりの世界に迷い込んだような、夢と現実の境目を行き来する不思議であたたかな物語でした。絵描きの道を諦めて事務職のアルバイトで生計を立てる女性、面倒見がよく好奇心旺盛なOL、過去の経験が原因で自分に自信が持てない青年。三者三様の物語が交差し、やがてそのときを迎える。失った色を取り戻すような、淡い幻想ファンタジー。2022/08/27
Mau
5
絵を描くことが好きな女性、正義感が強く好奇心旺盛な女性、読書を仕事にしている青年の3人の行動が夢と現実の狭間で交錯する物語。空の欠けたピースを探す冒険といろんな風景を描く旅がリンクしていて、次はどこにピースがあるのか探しながら読むのがとても楽しかった。2023/08/31