内容説明
現在の東京・府中市の一角。そこはかつてハケ下と呼ばれ、多摩川が氾濫するたび大変な被害に見舞われていた。ハケ下大野郷の貧農に生まれた伊助と、浅間山の噴火で故郷を追われ流れ着いた志津。いつか豪農になることを夢見、開墾に明け暮れる日々。貧しくとも、家族に囲まれささやかな安穏を掴みかけていたが…。長年に亘り江戸庶民の暮らしを研究してきた著者が、懸命に生きた農民たちの人生模様を鮮明に描き出す意欲作。噴火、洪水、飢饉に疫病―数多の困難が襲った江戸後期。度々訪れる災難、愛しい者の死。それでも一所懸命に前へ進んだ、名もなき農民たちの尊い暮らしの物語。
著者等紹介
内藤久男[ナイトウヒサオ]
1951年東京都生まれ。1975年日本大学大学院卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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