内容説明
ジリ貧が続く家庭用こたつ業界。男たちは新たな挑戦を余儀なくされた―。“電熱”の可能性を信じ、選んだのはガスが主流の産業用ヒーター業界。不可能と揶揄され続け、開発期間は実に20年。ローテク魂で成功をつかんだ、男たちの物語。
目次
第1章 顧客の命を守れ!小さな事故報告からはじまった、大きな挑戦
第2章 2000度の電熱なんて不可能―嘲笑され続けて20年。ついに生まれた「新技術」
第3章 電気がガスに勝てるわけない。門前払いの「屈辱の日々」
第4章 完成、試作品第1号―電熱による産業用加熱器が、食品業界に革命を起こす
第5章 ついにつかんだ68兆円市場の自動車業界―「老舗こたつヒーターメーカー」から「産業用加熱器メーカー」への脱却
第6章 ローテク・イノベーションが、ものづくり企業の未来を切り拓く
著者等紹介
川合誠治[カワイセイジ]
メトロ電気工業株式会社代表取締役社長。1948年愛知県生まれ。1966年愛知県立刈谷工業高校電気科を卒業、メトロ電気工業株式会社に入社。一貫して技術部門に在籍。各種特殊電球の設計をはじめ、電気こたつなど暖房機器の開発に従事、ヒーター管およびその応用機器など、既存の概念にとらわれない発想で様々な製品を世に送り出した。2000年、代表取締役社長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
9
「白熱電球」系メーカーであったメトロ電気工業株式会社が、電熱方向に開発を進め、ガスが主流の産業用ヒーターの分野に伸びている、というもの。電熱器といえばニクロム線が思い浮かぶが、あれは600度が限界だし、家庭用の100V1500Wで使うのはむつかしい(200V3000W欲しいそうな)。が、エジソン式の発熱電灯を発展させると、2000℃行けるそうな。ガスみたく対流で熱するわけじゃないから、効率良いと。熱源はカーボンなので、炭火と同じ。焼き鳥チェーン店で使われるようになった。確かに鳥貴族は焦げ臭くないなぁ。2021/01/01
nobu23
4
こたつのヒーターを作る中小企業メーカーが、アナログな技術を極めて、食品や自動車機器にも採用される産業用ヒーターを開発し躍進するお話。従来のガス加熱の仕組みを電機加熱ヒーター置き換えていくための努力が読んでいて爽快。2024/07/12