微光星

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  • サイズ B6判/ページ数 195p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784344920804
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

洋食店を営む檜垣は、ある日突然、小学3年生の孫娘・茜を殺されてしまう。悲しみに暮れる彼のもとへ犯人逮捕の報せが届くが、判決は無期懲役。なぜ死刑ではないのか…。そしてついに、檜垣はある計画を行動に移す。死刑廃止論者と被害者遺族の関係を描いた、衝撃の一冊。

著者等紹介

黒谷丈巳[クロタニタケミ]
1957年大分市生まれ。1980年京都大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

89
死刑判決で人ひとりの命を奪うことの重さは計り知れない。国家が罰として人に死を科して良いのかという議論は当然ある。しかし、死刑判決を受けた者はそもそもそれほど大切な他人の命を自分の勝手で奪ったのだ。死刑が相当と思われる人殺しの命においてなお死刑に疑念が生じるのである。況んや罪なき者の命をやであろう。年端もいかない少女を己の性欲を満たしたいがために誘拐したあげく殺した者の命がそれほど尊重されねばならないのか。目的刑論は非常に高邁な理論である。しかし、被害者に近しい者の心に少しも寄り添っていない。やりきれない。2019/03/16

sayuri

63
「家族を殺されてもなお、死刑廃止論を語れるのか」私なら即座にNOと答える。以前より理不尽さを感じていたが2007年に起きた名古屋闇サイト殺人事件では3人全員に死刑判決が下りなかった事に腹立たしい思いだった。娘を殺された磯谷さんの心中を想像するだけで涙が溢れる。この作品では孫娘を殺された桧垣の、自分の命を懸けて起こした行動が描かれている。桧垣の取った行動が犯人への復讐でもなければ、判決を下した者への報復でもない事で問題提議として強く伝わる。被害者と遺族の無念より加害者の更生を重視する法律なんてくそくらえだ。2019/04/17

さっこ

42
死刑制度を扱った作品。孫を殺された祖父が「死刑の基準」について一石を投じる内容となっています。死刑制度については遺族側、弁護士、検事などの目線で描かれているものは多数ありますが、この作品では国自体が制度の改正を見直す必要があることも描いています。個人的には「死刑廃止」を論じることができるのは大事な人を失った犯罪被害遺族しかいないと思います。安全なところから死刑廃止を訴えても詭弁でしかないように思います。被害者とその遺族の人権こそ守られるべきであり考慮されるべきなのではないかと感じます。2019/07/13

mirei

33
今あるあやふやな死刑制度に一石を投じる話。確かに死刑判決と無期懲役の差が一般人には理解しにくく、また人の命、人権を奪った犯人の人権を何故守らなくはいけないのか、到底分からない世の中で、主人公の決意は衝撃的だった。安易な復讐ではなく、後世において道標になるように、身をもって挑む。しかし、しかし、究極の選択すぎて、なんとも言えない気持ちになる。 2021/12/24

うさうさ

19
死刑制度の「死刑の基準」について、一石を投じる作品。 孫娘を殺害された男が自身のすべてをかけて国家に挑む。よくある復讐ものかと思いきや、想像を上回る大きな話だった。死刑基準は曖昧な上に、裁判官によって差が出るだろう。この男が求めた事の本質は、私も大賛成だ。 著者は還暦を迎えてこれを執筆したという、すごいデビュー作。2022/01/10

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