出版社内容情報
グランディバ王国の片田舎で司書を務めるシリル・ウィンストンは、先天性異能代替疾患――驚異的な能力と引き換えに味覚を失い、吸血鬼のような白い肌と赤い瞳、銀色の髪へ姿形が変化する疾患を抱えている。「フォーク」とも呼ばれる彼らが味覚を感じられるのは「ケーキ」と呼ばれる人間の体液だけだが、この病が原因で周囲の人や家族に恐れられてきたシリルはそれを求めることもなく、愛する本に囲まれたこの土地で静かに暮らしていた。
そんなシリルに、突如結婚話が舞い込んだ。相手はなんと、好色家と噂の第三王子・エヴァン。内通者の存在を疑う王立図書館を調べるため、シリルが司書として働けるよう自分の婚約者になってほしいと頼まれる。表面だけの結婚と全てを快諾したシリルだが、「安全なフォークだと証明する」ため、エヴァンとのキスが結婚の契約に追加されてしまい……!?
【目次】