出版社内容情報
圧倒的筆力で描かれる、久能千明完全書き下ろし最新作! 龍と巫女を巡る、壮大な運命の物語――。大人気・蓮川愛とのコラボ作!
神を信じていない現実主義者の大学院生・青江冬哉は、滝守村に古くから伝わる「五頭竜山の伝説」の現地調査を任され、禁足の山とされる村に踏み入った。山中の罠で重傷を負ってしまうが、山に住むという美しい少年・スイによって救われる。孤児だというスイは、五頭竜山の護主に拾われ、存在しない者として隠し育てられ、他の人間と一切関わることなく山の中で生きてきたという。
冬哉は、自分の怪我を甲斐甲斐しく手当をしてくれるスイと日々を過ごすうちに、美しく儚い見目に反して感情豊かで無垢なこの少年が、村の歪すぎる信仰の中で囚われて生きていることに嫌悪感を抱き、スイに自由を与えたいと考えるようになるが――?
内容説明
時は大正末期―。神や妖を信じない現実主義者の大学院生・青江冬哉は、正体不明の神・五頭竜様を祀り、身代わりの巫女として歪な環境に囚われて生きる少年・スイと出会う。二人だけの生活、二人だけの時間が冬哉とスイの距離を縮めてゆく。そんな中、冬哉は伝説の成り立ちと、そこに絡む人間の思惑を探りあてた。スイに山を下りろと告げる冬哉。しかし育ての親である護主と五頭竜様への畏怖と崇尊に縛られたスイは頑なに動こうとしない。スイを傷つけたくない。だが他に方法がない。冬哉は「巫女は清い存在でなくてはならない」という掟を破り、無理矢理身体を繋げることでスイを守ろうとする。巫女の資格を失ったことに絶望するスイだったが、突如、五頭竜山の山頂に、伝説に記された「徴」が現れ―?
感想・レビュー
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- 和書
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