内容説明
倣慢な商社マンだった高槻士郎は失脚を機に辞職し、虚飾に満ちた生活を終わらせ雪深い山奥のガラス工房へと引きこもっていた。そんなとき、離婚した妻に頼まれ、彼女の弟・凛を預かることになる。心的外傷からしゃべることができずホワイトボードに文字を綴って会話をする凛に、人嫌いの高槻はどう接したらいいのかわからず戸惑うのだが…?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黎明卿(禍腐渦狂紳士タッキー)
109
【命が尽きるその日まで、彼と寄り添い、彼を守り、共に生きていきたい(高槻)】エロス度★人嫌いと口が利けない少年の恋。六芦先生が描く表紙の花を咥えた凜と彼を抱き寄せる高槻が素敵すぎるし、ストーリーが泣くに泣けまくった!凜のことを手放せないくらい好きになってしまう高槻、心を閉ざしたマネキン人形・仮面の笑顔状態だった凜が高槻に次第に心を開き沢山の表情を見せるようになる尊さ!特に、話せないぶん凜の瞳や表情などに動きを付けて彼の感情が伝わってくるのがよかった✨終盤や小冊子で溢れる慈しみや幸せが涙腺を崩壊させます😭2020/03/20
へへろ~本舗
12
不器用で孤独な男・高槻と言葉を失い人形のような顔で微笑み怯えている不憫少年・凛。二人が徐々に距離を縮めていく過程が良かった2020/03/27
しの
12
静かな分、心の声や表情がとても響くお話でした。 声が出ない凛の過去の恐怖を言葉少ない士郎が少しずつ根気よく取り除き、本来の凛の笑顔引き出していくと同時に、実は凛以上に感情に問題がある士郎が凛に傾いていく自身の感情に戸惑い迷う姿がせつなかった( ;∀;) 凛が士郎の困り顔の度合いで照れを的確に読み取る力を身につける未来が、もうすぐそこにあるように思えるSSがとても明るく感じ幸せの色が見えました♡2020/03/19
*ちえ*
11
紙本。タイトルと土地柄の季節感と2人の心が溶けていく様のリンクが素晴らしい!不器用な優しさはただただ純粋な気持ちだからこそ心身に傷を負う凛くんは感じ取れたのだろう。2人が出会えてよかった。元妻も良い働きと決断をしたことはやはり良いパートナーと出会えたことだと思うと人との縁は不思議ですね。しかし凛くんヤンチャになったな。士郎さん、目が離せないねw2020/04/03
万尋
5
★★★★☆ 読む前から泣く気満々で読み始めたけど今作品は攻視点だからそんなには… と思ったらやはり今作品も泣かされました。 良いお話だった… 2020/04/19