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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きまたよ
6
スタートレックTNGで、転送機の不調で副長がウィリアムTライカーと一人で惑星に残されたWトーマスライカーの二人になるというエピソードがあった。この作品では「天才」科学者の実験で女子高校生が二人になる。この一人が二人が、家庭や学校で様々なトラブルに出会う。科学者は手助けに自分を複製するは、猫を二匹にするは。最後は時間の流れまでいじり、昔亡くなった女子高生の姉に会ったり。転送機が実験機であることは、スタートレックのそれにはない欠陥があることでわかるが、しかしその状態で普通の食べ物が吸収できるのかという疑問も。2019/08/31
KUMAPON
3
瞬間移動装置に入ったはずが、移動ではなく複製されてしまった女子高生。テンポの良い展開とクスッと笑えるセリフの応酬から、「私」2人の入れ替わりが巻き起こす学園ドタバタコメディなのかと思いながら読み進めたのだが、意外にしっとりしたお話だった。過去は確定しているから鋼鉄のようにカッチカチ。だけど未来は不確定でプニプニしている。未来を表すのに「プニプニ」というのがなんだか言い得て妙だなと思う。SFとしてはいろいろ腑に落ちないところもあったが、青春ものとしてはとても楽しめた。前向きな力をもらえる作品だった。2022/05/05
MH
3
以前出版されていたが入手が難しくなっていた本書が加筆の上読み切りを加えて完全版として甦った。加筆部分は背景の追加、人物の顔が今の画風に合わせて可愛くなっているなど。私は以前の特徴的な「への字口顔」も好きだったけど、加筆に違和感はないです。コミカルなタッチの中にも深くて重いテーマを偲ばせてくるつばなさんの個性がよく発揮されたジュブナイルSFものと言えるでしょう。2019/04/24
s_s
1
加筆修正が施された完全版。『バベルの図書館』ほどのダークな雰囲気はなく、笑える部分も用意されていて、比較的に肩の力を抜いて読むことができる。科学者の実験に巻き込まれて”私”がふたりに分裂するという、一見すると荒唐無稽な物語であるが、出オチ感が強い題材でここまで奥行き・深みを出せるのは、やはり作者の技量によるものか。ちなみに片割れが影だけになる演出は、正直なところ異質で怖かったな……。不変の運命を描いて読者の涙を誘う感傷的な展開と、1秒先にある不確定な未来へ踏み出す勇気を貰える作品だった。2025/05/19
ききき
1
完全版で本そのものも二重星になった、分裂してしまった私の今と過去と未来の漫画。おはよう。私。過去はどうあれ未来はぷにぷに。読み終わった後、昔見た COWBOY BEBOP ってアニメの SPEAK LIKE A CHILD で流れるビデオのシーンを何故か思い出した。2020/05/05