内容説明
京都で小さな刃物の専門店を営む夏生は、幼馴染みの町医者・智明とつかず離れずの関係を続けている。智明に大切に扱われるのを嬉しく感じながらも、それが高校時代の不幸な事故に智明が感じる必要のない責任と罪悪感を抱いているせいだとも理解していた。見えない糸に縛られた幼馴染み二人の関係は、ある日ゆっくりと熱を孕み恋情へと形を変える。
著者等紹介
かわい有美子[カワイユミコ]
1995年、小説b‐Boy(ビブロス刊)四、五月号、『EGOISTE』にてデビュー。当時のペンネームはかわいゆみこ。2002年夏よりペンネームをかわい有美子に変更(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nono
29
BL。京都を舞台に、幼馴染みの開業医の智明と、刃物を扱う店を商う夏生。互いに意識はしているものの、一歩が踏み出せない30代男性の躊躇いや狡さがじれったくも京都言葉でしっとりと。男同士の相手に対する気持ちって、確かにこういうもどかしさがあるなぁと実感させられる大人の恋の話、とても好きでした。幸薄い夏生が幸せになってほしいと心から思うけど、智明の母や兄の反応が怖い…古い街は色々大変そうだ^^表紙がとてつもなく綺麗で満足。2017/10/11
きょん
23
二人とも京都人らしい中々本音を見せない所がちょっと歯がゆくて色っぽいんだけどぬるりとした掴みどころのない感じ。当て馬としてはあまりいい働きとは言えないけど、宗近君の方がストレートに恋愛できそう。2017/03/09
リリー
15
舞台は京都、幼馴染2人の長年にわたる複雑な想いが形になるまでを描いた作品。長年にわたる、といっても作中で流れる時間は半年程度?なので、「友だち以上恋愛未満、だけど2人とも互いを好きなことは判っている」という1つのエッセンスを、京都の暮らしなどの描写を交えることでこよりのように細〜く長〜く書いたような印象を受けました。想いの結実まではもっとコンパクトにまとめて、その後の話などを読みたかった。笠井あゆみさんの絵は絶品でした^_^2017/05/17
しましまこ
15
町医者×刃物専門店主。幼馴染み、付かず離れずの微妙な距離感にジレジレ。もっと甘々が見たかった。2016/04/17
ふみ
12
☆智明(開業医・32歳)×夏生(物職人・30歳)かわいさんの京都モノで幼なじみ三十路の男たちの話…高校の頃の事故で足に障害が残り、その後家族を病気で亡くすという境遇の夏生を、ずっと見守り支えてきた智明…私的にあらすじから感じた罪悪感うんぬんに関しては薄い気がした分、亡・父と店を守ってきた叔父さんが、後継者問題で夏生に対する対応が酷すぎて義理や人情がなく辛かったなぁ(智明もだけど、夏生を大事に思ってくれる人が傍にいてヨカッタよ)…京都の街並み、四季の描写、はんなりな京都弁が素敵な1冊でした~絵師さんも素敵♪2016/04/22
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- 和書
- 青い目の夫