内容説明
病院で目覚めた志上里利は、自分が中学時代の同級生・保高慎二の乗る車に撥ねられたのだと知る―十年ぶりに再会した保高は、その病院の研修医だった。利き腕を怪我して不自由なところを、保高の部屋に招かれ甲斐甲斐しく世話を焼かれる志上。保高のことが気になりながらもつい反発してしまうが…。書き下ろし短編も収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yucca
24
★★★☆☆:愛情の薄い人生を生きてきた志上は毎日を刹那的に過ごしていたが、元同級生の保高に車で轢かれてからそんな日常が一変し…というお話。志上の出生はもっとやり様があっただろうとは思うものの、自己愛だけだった志上が保高との共同生活を経て、彼への一途な愛情のために態度を改めていく過程はいじらしかった。物語は志上の人生のカタルシスのように感じたので書き下ろしの保高のアレコレは特に必要なかったなーとか思った。そしてくっついた後の志上が想像以上にめんどくさいw絵に描いたようなツンデレ可愛いけどさ!BO。2016/11/21
このん
23
(2013年9月22日3422)兄妹の子として産まれた志上は、自分の不注意で中学時代の同級生で現在は研修医の保高に車ではねられ右手を骨折する。No.1ホストとして働いていた志上は不自由さから仕事を休み保高のアパートで世話をされ暮らす事になった。志上は高飛車で高慢なひねくれ者。マンションに放火された挙句、仕事も上手くいかなくなり窮地に追い込まれる。志上の事を好きだった保高は忙しい身でありながらも志上に親切にするが、志上の素直でない態度と言葉。そんな志上が可哀想でもあるが…。保高が良い人で良かった。2013/09/22
ミル婆
20
堅物攻めと繊細ビッチ受けの再会もの。個人的にはそれほど好みの組み合わせではないが、恋をし愛されることで変わる欲深いけれど優しく切ない心模様にぎゅんとなる。受けの志上が攻めの想いにだけ鈍いという、焦れ焦れ設定に嵌る。告白され自覚した後のオロオロする志上が滑稽で可愛いらしい。優しく見守りたくなる。2013/10/27
きょん
20
受のろくでなしっぷりや頑なさが昔の砂原さんぽいなあと思ったけど、初読みだったので楽しめた。良かれと思ってしたことが必ずしも相手にとって良い事になるとは限らないって、子供に限らず人間関係に常に付きまとうことだと思うなあ。描きおろしの甘い雰囲気でいろいろ中和されて読後感は優しい感じになりました。2013/10/20
あまね
20
真面目で正義感の強い研修医保高とずる賢く自分本意なホスト志上。小学生時代の出来事で歪んでしまっていた二人が交通事故をきっかけに再会し、怪我をした志上を気遣って同居することなるのだが…。重く切ないお話で先に既読のファンタスマゴリアを思い出しました。女を切っては捨てのヒモ状態の生活をしていた志上ですが、その出生の秘密はとても重くて志上はそれをずっと背負っていて。保高のことを罵りながら自分とは正反対の保高にどうしようもなく溺れてしまう志上が歪んでいるのにとても愛しかったです。⇒⇒2013/09/19