内容説明
棗と朋哉は大学時代からの腐れ縁。恋多き朋哉が失恋するたび愚痴をきいてやる棗だが、実はずっと朋哉のことが好きだった。今日も酔って泣きごとを繰り返す失恋ほやほやの朋哉に夜食を作ってやり、彼女から突き返されたというブレスレットを引き取って帰ってきた。抽斗にはそうして集めた朋哉の、そして棗の失恋の証が溜まっているのだった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たにしぃ
22
主人公の棗が、琥珀専門の仕事をしているということで、琥珀に関する描写が多くて面白かった。のだけど、棗がずうっと恋してる朋哉が女性とつきあっては振られるを繰り返しているため、棗の気持ちを思うといたたまれなく、途中で出てくるイケメン宮田さんでいいじゃない?!と思ってしまう。2/3くらいまでめちゃつらかった。2013/05/29
なみ
18
電子にて☆受に感情移入しすぎて私もどうしようかと切ない想いを抱えて読んでました……私も琥珀集めようかと思うほど(笑)いやはや結果は攻に対しても受に対しても脱力感いっぱいですけど、やはり攻はクソだ。クソだけど好きなんだから仕方ない、中毒。読んでる私も中毒性にやられて?このお話好きになったという。2016/10/24
瀧ながれ
17
BL(13年)。大学時代からの友人、片想い。恋心を抱いたときに見た夕陽が海に沈む色と、はるか昔の昆虫や水を内側に含んで時を止めた琥珀の色が、きちんと結びあって物語になった、きれいな構成の作品。最後の攻氏の告白には、「なんじゃそりゃあ!」と思わなくもなかったが、今後、時間をかけただけの意味がわかるのかもしれないし、まあ、仲良くやってください。ペリドットをお焚きあげに出したのがかなり残念。焚くなよもったいない。石は次代につなごうよ、バラしてデザイン変えて売ろうよ、伝手はあるでしょうよ。2019/05/19
きょん
17
前半の棗くんが長い長い片思いを自嘲しつつも結構冷静に受け止めながら耐えるところが切なくて良かっただけに、後半の攻めが女性と同棲するわ、勝手な御託を並べるわどうしようもない奴で、攻めに対してどうにも評価が辛くなる。失恋を新しい恋で癒そうとするのはともかく、しっかり失恋もしないで他の女に癒されようなんて甘いんだよ!よっぽど宮田さんの方が良い男だと思うんだけどな~。2013/05/30
祐@暫しお休み中
15
朋哉が失恋するたびに自問し苦しむ棗の様子が切ないものの、本人に失恋し続けることへの諦念があるのと途中からなんとか前向きになろうとするせいか、思ったより鬱屈さがなくてサクッと楽しめた印象。つか途中からは棗の未練がましさよりも朋哉のやっていることの酷さに若干呆れ…。蓋を開けてみれば更にヘタレにもほどがある言い分にもう苦笑いしか出なかったなあ。棗の失恋中毒より彼女という被害者がいるぶんタチが悪すぎる。しかし事実を知り己の6年を思って叫びたくなった棗の気持ちがよくわかるラストだった。二人して随分遠回りしたね…苦笑2013/06/06