内容説明
カフェバーの店長・三崎尚は、ある日道端で酔いつぶれていた外務省のエリート・西浦竜司を助ける。一年ほど前に同棲していた恋人と別れた尚は恋に慎重になっていたが、思いがけず西浦との距離は急速に縮まっていった。しかし、西浦に贈収賄容疑がかかり、二人は離ればなれになってしまう。西浦を信じると決めた尚は、献身的に彼を支えるが―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
IENEKO
10
ひたすら相手を見つめて尽くすタイプは、実は自分も相手もあまり幸せな結末を迎えない。尚のスピンオフが読みたいと思いつつ、一体どういう相手なら幸せになれるのか想像がつかなかった。なので「なるほどっ」とまずは膝を打つ思い。国家という強大な権力から護ろうとするなら、どれだけ尽くしたって尽くしきれるものではないですよね。お大師様のくだりは「あらあら」ですが、優しい尚が幸せになれて本当によかった。ちょこちょこ登場した賢吾を見て「尚、男の趣味悪かったね」と思ったのは私だけではないはず(笑)2011/12/11
ふみ
10
西浦竜司・外務省勤務(36)× 三崎尚・カフェ・バーの店長(26 )♪ 『春、君を想う』の続編で尚が主人公~前回で、尚がイイ人だったので、不憫すぎるという声が、雨あられのように降り注いだみたい!お話では、西浦と尚の出逢いも、惹かれていく過程も、それにある事情から、大切な人を想い、待ち続ける設定も、尚らしくてヨカッタんだけど…ただ、西浦が外務省勤務で、日中親善というお話ネタで、どうも政治が関係する事件の容疑等がかかり、難しいお話もまた延々と続き、おバカな私はグルグル^^;作家様は大陸好きかな? 2011/09/16
0655
7
友がよかったと感想を述べていたのでブックオフで購入。前作を知らないが単体でも充分読めた。攻が静と動を併せ持ち、大胆かと思うと時には脆くて・・・とかなり印象的なキャラ。受はよくある尽くしタイプだと思っていたけど、攻が逮捕・拘留という劇的な事態にも気丈で芯があり、優しいだけでなく男らしいのだな、と感心。太極拳や水墨画などのエピソードがうまく、登場人物や話とうまく絡み合って読み応えのある本だった。前作未読だけど、この本だけでも前彼たちは厚顔で鬱陶しく感じたので、もはや読むことはないだろう。2013/05/10
passo
7
前作は尚が不憫すぎてモニョモニョしたけど、今作を読んですっきりした。ちゃんと今彼が元彼を殴ったし(笑)二人が離れる前日が、戦争に行く夫を見送る妻みたいで泣けた。幸せになってよかった。2011/09/18
華緯
6
スピンのこちらを先に読んだ。いや〜〜なんか難しい男だな、西浦……。どちらかといえば分かり易い人なんですが、これは尚が苦労するわけだよ…。話としては、これも重い。罪も犯していないのに、公に罪人として裁かれることが堂々と行われるなんて、読んでるだけでしんどい。…ラブに少しは救いがあるけど、賢吾と沙智の存在が、結構微妙だった。…納得してるようだけど、最初の頃、仲のいい二人を見ている尚がなんか息苦しくて……そう、全体的にすごく息苦しい話だった。『執行猶予中』には笑っちゃいましたが;;…さて、本編を読む。2015/02/17