内容説明
高校生の芳条悠紀は、満員電車の中で知り合った年上のサラリーマン・鷹宮瑛司に惹かれ、自ら誘って「一度だけ」との約束で関係を持ってしまう。しかし、その後鷹宮と再会した悠紀は、寂しさを忘れさせてくれる彼と身体だけの関係を続け、いつしか溺れていくのだった…。どんなに身体を重ねても、くちびるは重ねることのなかったふたりだが―。デビュー作品・待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なみ
11
電子☆うえださんのデビュー作なのですね。喫煙、飲酒描写が多くて今じゃないだろうなという印象。そしてかなり自分勝手な攻😅っぽい。受も卑屈になりすぎな気がするけど、その歳ならそういうものかも。などと、今私のブームが糖度低めなので楽しく読めました。読書のタイミングって読後感が左右されるなと実感。2021/05/18
嵩実
11
29歳のサラリーマン×17歳の高校生。喫煙シーンが多くて、煙たそう~と気になりつつも、楽しく読了。受けの喫煙・飲酒を咎めることもなく、職場の同僚かよ!くらいのノリで酒につき合わせ、早朝から学生服の受けをホテルに連れ込むくらいは、躊躇無くすませちゃう攻め。いやはや時代ですなー。でも、この攻めがなんとも身勝手なズルい男で、受けが悩みを抱えていると気付いても、下手なアドバイスや説教もしないところが逆に良かった。不誠実そうな男が本気になると、逆に真実味がありそうだし、思いの外長続きしそうなCPでは。2017/10/01
じぇい
10
電子にて。読んでみたら紙で読んだことがあった。想いが通じ合った後、もうちょっと攻めがデレた方が好み。せめて書き下ろしは甘々が読みたかった。現在紙本が手元にないってことは同じように思っていたんだと思う。2014/10/13
beniko
6
旧版既読。話の筋はわかっていても細かい文章などは忘れているので旧版との比較はできないけど、文庫版もやっぱりよかった。高校生の悠紀がどれほど親の愛に飢え、危うい精神状態の中、一人で踏ん張っていたか。そういう日々の中で唯一の癒しとなった存在の瑛司にも事情があって家族に複雑な思いを持っている。互いの事情も心情も明かさぬまま体の関係を深めた彼らが、今までの生活から一歩踏み出したとき、ようやく本当に結ばれる。その過程が痛々しくも、BLを超えた人間ドラマだと思った。文庫版収録のSSでは大阪で一緒に暮らす二人の話。2024/11/10
こたりん
6
新装版で再読。やっぱ好きだわぁ。悠紀が自分を保つすべとして、精神的に自立を余技なくされ、ぎりぎりのラインで生きていたのを思うと涙がでるよ。この父と母に心底腹が立つぜ。攻めの瑛司もスタートはろくでもない大人だよねぇ。でもキライではない。2人のその後が読めてうれしかったわ。2009/09/12
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