内容説明
中学2年生の速水有理は、父親と弟と3人で暮らしていた。やがて3人は父の友人・高宮の家に身を寄せることになるが、そこには有理と同じ歳の怜人という息子がいた。次第に親しくなり、恋に落ちる2人だったが…。怜人との突然の別れと父の失踪から5年後。大学生になった有理は弟の学と2人で慎ましやかな生活を送っていた。そんなある日、怜人と再会するが―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そらねこ
26
凄く面白かった!母親が病気で経済的にひっ迫した父親が頼った友人の家に一緒に住むことになった受けはその家の息子である攻めと恋仲に。しかし実は父の友人は父親に好意を寄せており、それを知っていた父親は友人の気持ちを利用し、傷つけ死に至らしめたのでした。…う~ん…文字で私が書くと陳腐なんですけども…💦受けがケナゲでキラキラした過去を懐かしむ悲哀に満ちていて凄く切なかった。父親が背負わないといけない贖罪なのに、当の父親は子供を置いて逃げ出し失踪。最後までハラハラし通しで気が抜けず一気読み!2019/05/12
合縁奇縁
26
中学2年生の速水有理は、父親と弟と3人で暮らしていた。やがて3人は父の友人・高宮の家に身を寄せることになるが、そこには有理と同じ歳の怜人と出会い恋に落ちるが、速水父が突然失踪で家族がバラバラに。それから四年後大学生になった二人は再会。記憶喪失から記憶が戻ってからも有理のそばにいたいと思い続けていた怜人がよかった。記憶喪失ネタは、韓流ドラマに思えた。2018/06/22
Romi@いつも心に太陽を!
14
大人に振り回された二人が、離れ離れになっても、一度は一人が父親と自らの記憶を失っても尚、魂が引き寄せ合うかのように再び巡り会った。玲人の言動や立ち居振る舞いが大人びていて、まさに王子様。こっちまで有理と一緒にどきまぎしちゃう。周囲の人の為にたくさんの物事を諦めてきた二人だからこそ、どうしても譲れない互いの存在は諦めて欲しくなかった。玲人の「俺の心のなかに暗い闇があったとしても、その闇からもきみを守ってみせるよ」にノックダウン。学くんも最高に可愛かった。ちょっぴりスピンオフで玲人父×有理父の話も読んでみたい2011/05/17
なみ
12
【再読】追い打ちをかけるように辛いことが起きる彼らにこれからは幸せが多くありますようにと本気で願うくらいがっつり双方に感情移入してしまい涙。2019/07/26
ルーリィ
11
杉原さんらしい作品。漂う雰囲気というか、言い表せないんですが、とにかく読み終わった後も切なくて切なくて…胸が苦しかったです。ハッピーエンドなのに切なかった。そして、怜人の叔父康広さんには腹が立ちました。子供相手に手を挙げるなんてもってのほか!怜人にその事実がバレてしまえば、私の苛立ちもなくなったんですけどねぇ(笑)≪2015手離本≫2011/06/23