出版社内容情報
逆転正義
内容説明
教室である日突然始まったいじめ。「僕は見て見ぬふりなんかできない!」。職員室へ密告に行くが、先生は何故か見て見ぬふり。たまらず先輩に相談すると、加害者たちを実名で晒し始めあっという間に大炎上。「自分は正しいことをした」と思っていたが―。日常で暴走する“正義”を題材に、常識がひっくり返る全篇大どんでん返しミステリ短編集!
著者等紹介
下村敦史[シモムラアツシ]
1981年京都府生まれ。2014年『闇に香る嘘』で江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。24年『同姓同名』がビブリオバトル三冠を達成し話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
36
『保護』が一番ビックリしたかな。2025/05/30
よっち
26
SNSにも正義警察、正義中毒者が蔓延る現代。日常で暴走する正義を題材に常識がひっくり返る全篇大どんでん返しミステリ短編集。先生も反応が鈍い教室のいじめをSNSで炎上させた高校生。制服姿の家出女性を一人にはできず保護した男。麻薬取締官に捕まった麻薬の売人と完全黙秘、トイレで人を殺めた女の家にやってきた男、罪のない息子が殺された真相を探るうちにたどり着いた因縁、刑務所から出てきた男を脅す少年たちの顛末。それぞれ安直な正義感を嘲笑うかのような、構図がガラリと変わる真相にはなかなか皮肉が効いていて面白かったです。2025/05/09
愛書家
6
正義とは?このことを考えたくなるどんでん返し系ミステリー。様々な正義があるけれど、それって正当なものなのか?と思ってしまった。自分では正義と思っても、第三者から見れば、それは悪とも言えるのです。どれも、予想だにしない話ばかり。あなたも正義について、考えてみませんか?2025/05/29
りちゃ
4
さて何が逆転するのか?の短編集。「正義」とは…。他方から見たらまた違う。だからこそ逆転が起こる。「死刑囚は菩薩の心境で死んではならんのです」重い言葉で終了。2025/05/29
KDS
3
「正義」とはいったいなんなのか。悪いことをした者を「正義」という大義名分を掲げて攻撃することは本当に正しいのだろうか。そう思い込んでいるだけではないのか…そんなことを考えさせられる六つの短編。本書を代表する一遍であろう、いじめ問題を取り上げた冒頭の「見て見ぬふり」をはじめ、それぞれあっと驚くどんでん返しが待ちうける読み応え抜群の作品ばかりだ。見事な叙述トリックに騙されて思わず二度読みした「保護」は、真相を知った後で読み返すとまるで違った物語のように感じられたりする。どうやらシリーズ化されるようで楽しみだ。2025/05/26
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- 和書
- 楔(くさび) - 一磁進