出版社内容情報
逆転正義
内容説明
教室である日突然始まったいじめ。「僕は見て見ぬふりなんかできない!」。職員室へ密告に行くが、先生は何故か見て見ぬふり。たまらず先輩に相談すると、加害者たちを実名で晒し始めあっという間に大炎上。「自分は正しいことをした」と思っていたが―。日常で暴走する“正義”を題材に、常識がひっくり返る全篇大どんでん返しミステリ短編集!
著者等紹介
下村敦史[シモムラアツシ]
1981年京都府生まれ。2014年『闇に香る嘘』で江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。24年『同姓同名』がビブリオバトル三冠を達成し話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
37
『保護』が一番ビックリしたかな。2025/05/30
mayu
28
お久しぶりの下村さん。見てる角度が変わると真実もくるりと逆転する6編の短編集。全編どんでん返しと帯で煽られてるけど、それでも予想外の展開が待っている。面白かったし、長編を読む気力が無いときでもサクッと読める。気づくと反転している物語は読みやすくて、あっという間に読み終えた。できれば何も考えずに読んでほしい。自分が正しいと思い込む事は時に悲劇に繋がる事がある。一番好きだったのは「死は朝、羽ばたく」最後の話ということもあり余韻が残った。2025/06/07
蒼
26
いくつかの感想を読んで、帯の無い図書館本で読んでよかったと思った。二転三転する物語達は世の人々が口にする「正義」が免罪符になっているのではとの思いが消えなかった。でもネット社会に蔓延る炎上と呼ばれる断罪には、正義は無い。「保護」は申し訳ないが気色悪くて、「ストーカー」は自分女性ではあるが、ラストの主人公の気持ちにはどうしても共感出来なかった。そしてこの物語はホラーに思えて仕方なかった。ラストの一編に生きる意味を深く考えさせられた。2025/06/14
よっち
26
SNSにも正義警察、正義中毒者が蔓延る現代。日常で暴走する正義を題材に常識がひっくり返る全篇大どんでん返しミステリ短編集。先生も反応が鈍い教室のいじめをSNSで炎上させた高校生。制服姿の家出女性を一人にはできず保護した男。麻薬取締官に捕まった麻薬の売人と完全黙秘、トイレで人を殺めた女の家にやってきた男、罪のない息子が殺された真相を探るうちにたどり着いた因縁、刑務所から出てきた男を脅す少年たちの顛末。それぞれ安直な正義感を嘲笑うかのような、構図がガラリと変わる真相にはなかなか皮肉が効いていて面白かったです。2025/05/09
アジツー
5
★★★★☆ 「逆転」「どんでん返し」と謳われているので頭からオチを予想しながら読み進めるも、そうくるか〜!と、それなりに意表を突かれる話が多く面白かったです。 ただ似たジャンルばかり読んでいるので、どうしても◯◯の△△に似てる話だなと括りがちになってしまいますね。2025/07/13