出版社内容情報
祖国に絶望した北朝鮮海軍の精鋭達。四十五年前、島根の海岸で拉致された日本人女性。宿命のように引き寄せられた彼らが、老朽化した潜水艦に乗って日本への亡命を企図した時、国際社会を揺るがす悲壮な闘いの幕が切って落とされた。一発でも魚雷が当たれば撃沈必至の極限状況。それゆえに生まれる感涙の人間ドラマ。超弩級エンターテイメント!
内容説明
祖国に絶望した北朝鮮海軍の精鋭達。四十五年前、島根の海岸で拉致された日本人女性。宿命のように引き寄せられた彼らが、老朽化した潜水艦に乗って日本への亡命を企図した時、国際社会を揺るがす悲壮な闘いの幕が切って落とされた。一発でも魚雷が当たれば撃沈必至の極限状況。それゆえに生まれる感涙の人間ドラマ。超弩級エンターテイメント!
著者等紹介
月村了衛[ツキムラリョウエ]
1963年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年、『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第三十三回日本SF大賞を受賞。13年『機龍警察 暗黒市場』で第三十四回吉川英治文学新人賞を受賞。15年『コルトM1851残月』で第十七回大薮春彦賞、『土漠の花』で第六十八回日本推理作家協会賞を受賞。19年『欺す衆生』で第十回山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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森林・米・畑
40
亡命を企図した北朝鮮海軍の潜水艦乗組員と45年前に拉致被害に遭った女性。45年前に拉致被害を見過ごした日本側の関係者の後悔。決断と実行が全てだと思った。実際に潜水艦内いる乗組員になりきってハラハラしながら読めた。2025/02/02
chiseiok
35
作者既刊『土漠の花』のプロットをクランシーの名作『レッドオクトーバーを追え』の設定に落とし込んだ感じ?なら面白くないはずはないと、期待値上げて読み始める。当初は聞き慣れない北朝鮮軍人の名前にキャラの把握が追い付かず、なかなかストーリーに乗れなかった。やっと調子が出てきた頃にはお話は終盤。テンプレ胸熱展開はむしろ期待通りだし、クライマックスにはうるっと来たけれど、ちょっと尺が短くてもったいない。せめて福井晴敏『終戦のローレライ』(の半分w)くらいには盛って欲しかったかな。このままでも充分に面白かったけどさ。2024/12/04
オヤニラミ
13
北朝鮮海軍潜水艦部隊の上層部達が母国を捨て日本へ亡命する。45年前の拉致被害者を交渉カードとして同乗させ生きて返せるのか!?軍事演習が始まりその逃亡劇がスタートするが追ってもまさに命がけで壮絶な戦闘場面が繰り広げられる。仲間が一人二人と命を落としながらも遂に日本の海域へ…日本の海上保安庁が救助する判断出来ないと見るや、45年前に拉致被害を見逃してしまったと後悔の念を抱き続けてきた元漁師と元警官二人が国の制止を振り切り生命を救いに沈没する潜水艦の元へ!!本当に日本の不甲斐なさが苛立たしいばかりですね。 2025/07/13
bela
12
祖国に絶望した北朝鮮海軍の兵士達が45年前に拉致された日本人女性を伴い潜水艦に乗って日本への亡命を試みる冒険活劇。脱北は決して許すまじと次々と追ってくる船との海上攻防戦が緊迫感がありとてもハラハラ。北朝鮮の腐敗政治や日本人拉致問題に触れてはいるが本作はあくまでも潜水艦をメインとした海上アクションといった感じでエンターテイメント作品としてとても楽しめた。当初はいけ好かない奴だと思っていたシンギルハの最期が男臭くて泣ける。映像化したら面白いだろうなぁ。2024/11/21
てぃと
11
先ずは腐敗した祖国に見切りをつけた北朝鮮海軍の潜水艦乗りの人間臭く正義感溢れる振る舞いに目を引かれ、「これは面白い本だぞ!」と直感。そして第三章では息をつかせぬ展開となり読むスピードが大幅アップ!45年前に拉致被害を見過ごした日本側の関係者の後悔の念の力が事態を大きく変えていく様に、最後は正に涙モノでした。いや~面白かった!2025/07/17
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