出版社内容情報
よそ者の自分が広報紙を作っていいのかと葛藤する新藤結子。ある日、取材先へ向かう途中で町を大地震が襲う。仕事を再開しようとするが筆は全く進まず、上司・伊達に手伝いを頼むもすげなく断られる。避難所では被災者にけむたがられ、自分の無力さを嘆く結子だったが……。広報紙は大切な人たちを、町を救うことができるのか。シリーズ第三弾!
内容説明
よそ者の自分が広報紙を作っていいのかと葛藤する新藤結子。ある日、取材先へ向かう途中で町を大地震が襲う。仕事を再開しようとするが筆は全く進まず、上司・伊達に手伝いを頼むもすげなく断られる。避難所では被災者にけむたがられ、自分の無力さを嘆く結子だったが…。広報紙は大切な人たちを、町を救うことができるのか。シリーズ第三弾!
著者等紹介
天祢涼[アマネリョウ]
1978年生まれ。「キョウカンカク」で第四十三回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。23年『謎解き広報課』が第十八回酒飲み書店員大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっしー
26
これで完結。最後の舞台は東日本大震災後の町でした。町が大変な時に広報課なんて必要ない、他にやるべき事があるのでは…。そう考える人が一定数いるのも理解出来ます。その反面、風化しないように「被災した今」を記録として残したい、今の気持ちを知ってほしい、そんな人達もいるんですね。矛盾するけど、どちらの気持ちにも寄り添う必要があるんだと思いました。今までの2冊とは雰囲気も全然違う気がしますが、結子の成長を感じ、楽しく読了です。恋愛面は気になるのですが、これで完結のようですね。2025/06/07
み
22
シリーズ完結。前の作品とずいぶん空気が違うなぁと感じました。あとがき読んで、ふむふむ。今まで広報紙は、ざっと見てましたが、これからは読みます!2025/04/13
ジンベエ親分
22
2ヵ月連続の続編そして続々編が発刊され、これでひとまず完結ということに。こんなに重いテーマが出てくるとは思っていなかったので冒頭で腰を抜かしてしまったが、後書きを読めば当初からの構想だったらしい。第一作目の少し軽めのタッチからは、こんなところに着地するとは思いもよらなかったけど、読めて良かった。とてつもなく重くて苦しい冒頭から、前作までの登場人物が少しずつ出てきて前に進んでいく展開にアツくなった。希望があるから人は前を向くのではなく、前を向くことそのものが希望なんだな。繰り返すけど、読めて良かった。2024/11/14
きょん
13
あとがきで連続刊行はもともとの構想だったと。というか東日本大震災後の自治体広報マンたちの活躍を描くのが主眼だったんですね。自分を受け入れてくれない地元民に対して、変に博愛精神を発揮しない主人公がよかった。2025/01/19
もっぱら有隣堂と啓文堂
8
シリーズ最新刊第三弾にして完結編。伊達は広報課というか広報業務から卒業し、伊達の弟子・結子が後継者として独り立ちしその穴を埋める。前2作は地味にしっかり謎解き、ミステリーしていたが、本作はシリーズ初っ端で出てきた伊達の言う愛、町民への愛というお題目に結子が自分なりの答えを出す。今回のストーリーの背景が震災、その復興における自治体広報のあり方的なかなり骨太なしろものなので、悲劇を下敷きにしたご都合主義が展開されることも危惧されるが、そのあたりは軽すぎず重すぎず上手く処理できているかな。楽しめたシリーズでした2024/12/04