出版社内容情報
フリーライターの溝口省吾は、無差別通り魔事件の加害者・小野寺圭一に事件のノンフィクションを出したいと持ちかける。彼からの出版条件はただ一つ。自分を捨てた母親を捜し出すこと。母親の行方を探るため、溝口は小野寺の生い立ちを辿り始めるが……。決して交わるはずのなかった人生が交錯した時、慟哭の真実が明らかになる。衝撃のミステリー。
内容説明
フリーライターの溝口省吾は、無差別通り魔事件の加害者・小野寺圭一に事件のノンフィクションを出したいと持ちかける。彼からの出版条件はただ一つ。自分を捨てた母親を捜し出すこと。母親の行方を探るため、溝口は小野寺の生い立ちを辿り始めるが…。決して交わるはずのなかった人生が交錯した時、慟哭の真実が明らかになる。衝撃のミステリー。
著者等紹介
薬丸岳[ヤクマルガク]
1969年兵庫県明石市生まれ。2005年、『天使のナイフ』で第五十一回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。16年『Aではない君と』で第三十七回吉川英治文学新人賞を、17年「黄昏」で第七十回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
となりのトウシロウ
80
渋谷のスクランブル交差点で無差別通り魔事件が起きる。偶然その場に居合わせた被害者女性・明香里を助けようとして殺された飯山晃弘、そして加害者・小野寺圭一、圭一の境遇に自らを重ねた溝口省吾。明香里は心に大きな傷を負うが身代わりになった晃弘の最期の言葉の意味を探し関係者を訪ねる。省吾は圭一の生い立ちを探る。母親から虐待を受ける痛ましい過去を詳細にそして克明にその内面までが描かれていく。罪の境界を超えた者と辛うじて踏みとどまった者。その違いを考えさせられる。圭一が受ける罰の重さを感じて欲しいと思う。お薦め。2024/11/23
涼
57
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/12/post-4d6d28.html ネグレクトは連鎖を生むのかと、暗澹とします。もう一つ死刑制度についても考えさせられます。2024/12/09
涼
56
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/12/post-60fce2.html 再読ではなく、前回のつづきです。本書では、死刑制度についてもまた、考えさせられました。2024/12/12
てつ
34
容赦ない。これが感想。一気読みでしたが、加害者側からも被害者側からも容赦ない表現に心が折れそうになった。ミステリーとか犯罪ドキュメントとかを読みなれない人にはきついかもしれません。2024/10/20
seba
24
無差別通り魔事件が発生。その被害者で一時は重体となった明香里は、現場で自分を庇うように亡くなった見ず知らずの男性の「約束は守った」という言葉が気になる。一方、フリーライターの溝口は犯人の境遇に思う所があり、事件に関するノンフィクションを出版しようと考える。事件後、明香里が退廃的な方向へ追い詰められるさまが痛々しい。犯罪を犯してしまうか否か、そこには自己責任論も一定付いて回るが、その差は思うよりも詰まっているのかもしれない。天祢涼『希望が死んだ夜に』をつい最近読んだばかりということもあり余計に難しく思える。2025/07/13
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