出版社内容情報
亡き夫への後悔を抱く女性と、人生の選択に迷う会社員。失踪した仲間と、共に登る仲間への、特別な思いを胸に秘める音大生。娘の夢を応援できない母親と、母を説得したい山岳部の女子大生。……日々の思いを?み締めながら、一歩一歩山を登る女たち。山頂から見える景色は、苦くつらかった過去を肯定し、これから行くべき道を教えてくれる。
内容説明
亡き夫への後悔を抱く女性と、人生の選択に迷う会社員。失踪した仲間と、共に登る仲間への、特別な思いを胸に秘める音大生。娘の夢を応援できない母親と、母を説得したい山岳部の女子大生。…日々の思いを噛み締めながら、一歩一歩山を登る女たち。山頂から見える景色は、苦くつらかった過去を肯定し、これから行くべき道を教えてくれる。
著者等紹介
湊かなえ[ミナトカナエ]
1973年広島県生まれ。2007年「聖職者」で第二十九回小説推理新人賞を受賞。同作を収録したデビュー作『告白』はベストセラーとなり、09年本屋大賞を受賞。12年「望郷、海の星」で第六十五回日本推理作家協会賞(短編部門)、16年『ユートピア』で第二十九回山本周五郎賞受賞。18年『贖罪』がエドガー賞“最優秀ペーパーバック・オリジナル賞”にノミネート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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納間田 圭
128
山好きな人は言う…「山に登る理由なんて分からない…だけど人生に山があって良かった」見上げると…眼前に槍の穂が見えた。雲はかかっていない。青い空を従えている。山ってなんなの…それは再生の場所。地上で飲む手の込んだ珈琲より…山頂で飲むインスタントコーヒーの方が美味しい。そして…その コーヒーの味に救われる人生もある。五竜岳、槍ヶ岳、剣岳、燕岳…。かなり以前に読んだ初作より…本格的な山登り。その数々の難所に挑む…訳あり女子達。山々は教えてくれた。「”いつか”と言っているうちは、”いつか”なんて永遠に来ない」2025/01/11
Nao Funasoko
63
私が苦手な人のように核心部分をわざと隠し、隠したことをもったいぶって語りかけてくる文章表現は変わらずだなと、やや苦手意識を持ちながら後立山連峰編を読んだ。しかしながら、その後に続く北アルプス表銀座、立山・剱岳編、武奈ヶ岳、安達太良山編ではそれがあまり感じられず素直に読み進められた。いずれも行ったことない山ばかりだが、山歩きシーンのリアリティは十分に伝わってくる。(笑)2024/09/07
NADIA
58
お疲れ様でした。と言いたくなる登山にまつわる4編の短編集。「山女」がテーマなので当然だがどれも女性が語り手を務める仕様。共感できるというストーリーばかりではないが、どれも毒は弱めだが面白く読める安定の湊クオリティ。音大声楽家に通う女子大生が語り手となる『北アルプス表銀座』の中で「頭の蓋が開く」という表現で、歌声が思う通りに伸びることを表していたが、これ、実感として分かる(もちろん音大生と同じレベルではないけどね)。ラストの状況が少々不明瞭だが、そういう部分があり一番印象に残った作品だ。2025/04/14
ぼっちゃん
56
色々な悩みを抱えた女性たちが山に登り答えを見つけ再生していく、続・山女日記4編。山岳ガイドになりたい娘が反対する母親と一緒に登山し説得しようとする『立山・剣岳』が良かったです。2024/08/12
カブ
42
「山女日記」の続編。文庫になるのを楽しみにしていました。色々な思いを抱えて一歩一歩山に登る女たち。どの作品も好きですが、母と娘の「立山・劔岳」がよかった。2024/08/28