出版社内容情報
点滴殺傷事件で母親が逮捕された由惟は不登校の妹を養いながら職場での嫌がらせに耐えていた。母親の無実を信じる弁護士の伊豆原は検察の立証を崩すべく、病院関係者の証言集めに奔走する。有罪率99%の刑事裁判で無罪を勝ち取る打開策は見つかるのか。驚愕の真実まで一気読み必至! 信じることの困難さと尊さを描く著者渾身の記念碑的傑作。
内容説明
点滴殺傷事件で母親が逮捕された由惟は不登校の妹を養いながら職場での嫌がらせに耐えていた。母親の無実を信じる弁護士の伊豆原は検察の立証を崩すべく、病院関係者の証言集めに奔走する。有罪率99%の刑事裁判で無罪を勝ち取る打開策は見つかるのか。驚愕の真実まで一気読み必至!信じることの困難さと尊さを描く著者渾身の記念碑的傑作。
著者等紹介
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年生まれ。愛知県出身。専修大学文学部卒業。2000年、第四回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で作家デビュー。04年に『犯人に告ぐ』が「週刊文春ミステリーベスト10」で第一位となり、第七回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
63
タイトルのとおり霧をはらう下巻だった。伊豆原弁護士の真摯な姿勢が好ましく、心理描写も巧みで引き込まれて一気に読了。裁判の仕組みや進行も興味深かった。2024/11/06
at-sushi@進め進め魂ごと
52
被告の霧をはらう決定打を見出せない伊豆原、立場の弱い職場内で追い詰められていく由唯。 伊豆原の熱意や妹の純粋さによって徐々に心を開いていく由唯の心情描写が秀逸で、ラストにはどんでん返しも用意され、法廷サスペンス&ヒューマンドラマとして出色の出来。 それにしても、由唯の職場のクソ専務だけは絶許💢2025/01/04
GAKU
45
弁護士伊豆原の無罪を勝ち取ろうという、真摯な姿勢が良かった。またそのような伊豆原に徐々に心を開いていく、由唯との過程も。下巻は一気読みでした。面白かったです。貸してくれた妹に感謝。2024/09/29
ぶんぶん
35
【図書館】圧倒的に面白い、弁護士の苦悩を描いて秀作。 ただ、真犯人が浮かび上がり解決までを描くがそれが「自白」とは・・・もう少し、カタルシスが欲しかった。 淡々と弁護士の日常を描くが、ここまでやる弁護士と言うのは嘘だろう、こんな親切な弁護士はいない。 ただ、後味は良い、方向性は間違ってないと思う。 何にせよ、これは小説なのだから・・・ 初の作家さんでしたが、面白かった!2025/03/22
33 kouch
34
裁判官の心証がすべて。人の命運がかかっている中、不謹慎かもしれないが弁護士と検事のプレゼン大会のように見えてくる。しかし裁判官の責務は重い。法治国家である以上ある意味、裁判官が「答え」。人間性も問われる本当に凄い仕事だと思う。文中の専務の振舞いが最低過ぎる。こんな人職場にいると毎日が人権蹂躙。加害者、被害者、そして裁く人達。しかし、どちらでもない人達の中にとんでもないロクでなしが多いのが社会の実情だとつくづく感じた。読んで良かった。オススメです。2025/05/08