出版社内容情報
東京郊外の公立小学校に新しく赴任したひかりは衝撃を受ける。ウサギをいじめて楽しそうなマーク、ボロボロの身なりで給食の時間だけ現れる大河、日本語が読めないグエン。これまでの経験がまるで役に立たない現場で一人一人と向き合ううち、いつしかひかりは子どもたちの真の輝きを見つけていく……。新米教師の奮闘と成長に心震える感動作。
内容説明
東京郊外の公立小学校に新しく赴任したひかりは衝撃を受ける。ウサギをいじめて楽しそうなマーク、ボロボロの身なりで給食の時間だけ現れる大河、日本語が読めないグエン。これまでの経験がまるで役に立たない現場で一人一人と向き合ううち、いつしかひかりは子どもたちの真の輝きを見つけていく…。新米教師の奮闘と成長に心震える感動作。
著者等紹介
藤岡陽子[フジオカヨウコ]
1971年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社勤務を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。慈恵看護専門学校卒業。2006年「結い言」が、宮本輝氏選考の北日本文学賞の選奨を受ける。09年『いつまでも白い羽根』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
42
東京郊外の公立小学校に赴任した26歳の女性教師、澤木ひかり。前任者からの引き継ぎもなくいきなり6年2組22名の担任となる。問題の多いクラスで、ネグレクト、暴力、移民など一人一人に重い困難がある。ひかりはその全てに全力で立ち向かうのである。学校という組織のバックアップは無いのと思わないではないが、こんな先生がいたらいいのにと思わせてくれる。それでも、ひかり先生が潰れなければいいのにと心配になる。2024/02/29
エドワード
39
これは超大作だ。藤岡陽子さんだから、優しく終わるが、400ページ超、常識を超える小学校の現在のルポルタージュだ。教師歴5年目の澤木ひかりは、転任先の水柄小学校で6年2組の担任になる。前任の担任がうつ病になったクラスだ。えっ、それは責任が重すぎないか。貧困、育児放棄、外国籍、澤木先生は問題のある児童たちを真正面から受け止める。彼女は、見て見ぬふりができないのだ。教育とは「教え」「育て」ることである。今の学校は「教え」は行うが「育て」がなおざりにされている。人を育てることの難しさを心の底から感じた。2024/05/26
ブルちゃん
39
延長もできないので、この本は読めなかったら返そうというポジションだった。でも、読めて良かった🥰子どもの行動には、理由がある。もしもあの時、と後悔しないように、自分も頑張ろうと思えたし、何十人もの子どもを預かる先生には、感謝しかないです😌✨2024/04/17
楽駿
30
読書会仲間本。以前、読み友さんから勧められて、ずっと気になっていた1冊。看護師である筆者は、病院関係のお話が多いような気がするが、今回は、病気だけでなく、貧困層、多国籍層における、教師と生徒の姿を描いている。子供が笑っているからと言って、楽しいだけでない。むしろ、真面目に周囲の言葉を受け止めるからこそ、苦しい時にこそ、笑う場合もある。私の住まう地域にも、きっと、同じ様な問題は山積されている。できる事は限られる。それでも、子供が子供でいられる期間は短い。せめて、その間だけでも、子供でいられる世の中にしたい。2025/05/09
mayu
29
鬱病を患った教師の代わりに引き継ぎも無いまま水柄小学校6年生の担任になったひかり。お風呂に何日も入らない痩せた姿で給食だけを食べに来る佐内君、暴れたり教室で座っていることができない真亜紅、外国籍で日本語があまりわからないグエン。問題ばかりの中、逃げずに時には自分の時間を犠牲にして生徒に寄り添う事は誰にでも出来ることではない。親は自分の事で必死で子供の事までまわらない。子供は何も悪くないのに、なぜこんな思いを…と閉ざしていた心の中の本音がわかった瞬間涙が止まらなかった。心に強く印象を残す読めて良かった一冊。2024/01/18
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