出版社内容情報
パリのオークション会社に勤務する高遠冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。だが持ち主は得体の知れない女性。なぜ彼女の元に? リボルバーの真贋は? 調べを進めるうち、冴はゴッホとゴーギャンの知られざる真実に迫っていく。傑作アートミステリ。
内容説明
パリのオークション会社に勤務する高遠冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。だが持ち主は得体の知れない女性。なぜ彼女の元に?リボルバーの真贋は?調べを進めるうち、冴はゴッホとゴーギャンの知られざる真実に迫っていく。傑作アートミステリ。
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞を受賞し、デビュー。12年『楽園のカンヴァス』(新潮社)で山本周五郎賞受賞。17年『リーチ先生』(集英社)で新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mae.dat
277
どう考えてもマハさんが楽しんでおる。解説に重ねるのも癪ですが「作り話もたいがいにしてくださいよ、社長。それやっていいのは小説家くらいですから」ですね。お前が言うんかーい。そして、自分は許されるんかーい( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。『Ⅳ ゴーギャンの独白』ね。史実と創作が混ぜてありますが、ゴーギャンの気持ちは気になりますし、これはマハさんの考える答えの一つですね。ふと思い出したのですけど、ゴッホの絵をチルトシフト加工すると面白いの。初めて見た時ちょっと驚きました。ゴッホの目は、世界をこんな風に捉えていたのかと。2023/07/15
Kanonlicht
152
これこそがゴッホを撃ち抜いた銃だと一丁のリボルバーがオークションハウスに持ち込まれる。それはゴッホと共に生きた画家ゴーギャンを巡る物語の鍵だった。2人の画家と、さらに彼らを支援したゴッホの弟テオを加えた3人の、互いを思いやりながらもすれ違う関係性が切ない。それにしても、真実はどうであれ美術史上の出来事をここまで劇的なドラマに変えてみせる著者の知識と発想に毎度のことながら感服する。2023/07/21
ほんた
126
ゴッホとゴーギャンという二人の画家の関係がよくわかる作品。フィクションではあるものの,限りなく真実に近いのではないかと思いました。何かを生み出すためには,それ相応の苦悩というものがあるのだなと,考えさせられます。 https://hontablog.com/リボルバー2024/08/14
みこ
118
オークションハウスに持ち込まれた一丁のリボルバーからゴッホの死の真相をたどる。「風神雷神」が読んでいて今一つと感じたのだが、本書はマハ氏の筆も乗っているようで楽しんで読めた。マハ氏の小説はマハ氏自身を投影したような美術専門家がヒロインを務めることが多いのだが、「風神雷神」の現代主人公の存在が希薄なのに対し、こちらは従来の美術ミステリーのようにしっかり主人公を演じきっている。ヒロイン冴の親友で奔放なようだが抜け目なく恐ろしさを感じる莉子がゴッホで、彼女に追いつきたいと願う冴がゴーギャンになぞらえているのかも2023/08/21
ピース
115
ゴッホはピストル自殺ではなくゴーギャンに撃たれた。もちろんフィクションだけど、原田ハマさんの史実を下敷きにしたフィクションは本当におもしろい。自分は全くの絵心ない芸人だけどゴッホとゴーギャンについてもっと知りたくなった。2023/11/03