出版社内容情報
江戸に急増する不眠と悪夢。漢方の薬が品薄のため、医者の泰山は代替品として梔子の実を処方していた。そんな時、美しい少年が患者にお札を配り歩いているという噂を聞きつける。竜晴は薬種問屋の三河屋でその札を見せてもらうことに。札に呪法がかかっていることを一目で見抜いた竜晴は少年を探そうとするが、数日後、泰山が行方不明となり......。
内容説明
江戸に急増する不眠と悪夢。漢方の薬が品薄のため、医者の泰山は代替品として梔子の実を処方していた。そんな時、美しい少年が患者にお札を配り歩いているという噂を聞きつける。竜晴は薬種問屋の三河屋でその札を見せてもらうことに。札に呪法がかかっていることを一目で見抜いた竜晴は少年を探そうとするが、数日後、泰山が行方不明となり…。
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。健友館文学賞受賞作『春の夜の夢のごとく―新平家公達草紙』でデビュー。短篇「虚空の花」で九州さが大衆文学賞佳作受賞。主な著作に日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞した『青山に在り』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
56
泰山先生の夢で思いがけない深層心理が出てくるのが面白い。今回の平家物語とのリンクも儚く優しくて良かった。作者の描く平家の物語が好きだ。2023/06/16
ホワイト
2
図書館本 ⭐️⭐️⭐️⭐️
ゆう
2
8.82023/07/16
めぐぼう
1
第7巻となる表紙は梔子(くちなし)と犬。小説のなかの季節はめぐり秋から冬を向かえていた。前作から江戸で不眠に悩む人が増えている件で鵺という妖怪が関わっていることを突き止めていたが、それから2ヶ月も進展なく経過していた。不眠と悪夢にうなされる人々が急増し、なんと現代における不眠症も、もしや鵺による仕業なのかと想いを廻らせながら読んだ。医者である泰山も不眠の患者に対し処方する漢方薬が品薄で手に入らず、心を落ち着かせる作用があり不眠に効くという梔子の実で対応している。今回は色々とクライマックスな巻であった。2024/09/16
Satochan
1
シリーズ第7作。タイトルは梔子の木。梔子は不眠の薬にもなる植物で、本作も前作と同様、人々が悪夢と不眠に悩まされるお話。敵役は鵺ですね。付喪神はと言うと、犬の獅子王が新登場。古の昔、鵺を退治した源頼政に、褒美として下賜された名刀の付喪神。竜晴宮司、犬、蛇、烏の付喪神を従えて、いざ鵺征伐ヘ。と書くと、かなりユーモラスになりますが、原作はあくまで静かに怖い雰囲気です。2024/09/13